ピークデザインのキャプチャーV3を購入してしばらく使ってみたので、使用感などをレビューしてみたいと思います。
ピークデザインの代表製品をひとつ挙げてくださいと言ったら、この『キャプチャー』を選ぶ人も多いと思います。
それくらい画期的なシステムなのは確かなのですが、何となく自分で使用するイメージが付かなかったため、今まで敬遠していました。
だけどやっぱり気になるので、使えるか使えないかは実際に使ってみないと分からない!という感じで購入に踏み切ってみました。
実際に使用してみると、使う前に思っていたことと違うことがあったりしたので、そのあたりも含めてレビューしてみたいと思います。
ピークデザイン キャプチャー
キャプチャー本体
ブラックとシルバーがありますが、僕は無難にブラックを選択しました。ブラックと言っても若干グレー掛かったブラックで、カッコイイですね。
アルミニウム削り出しでバリなどもなくキレイな仕上げです。アルミニウムということもあり、塗装はアルマイト加工です。
付属しているネジは、長ネジと短ネジの2種類あります。長い方は六角レンチで締めるようになっており、短い方は手で締められるようになっています。
気軽に着脱できる短ネジが使い勝手が良さそうです。
左側のネジを緩めると、前面が開きます。ネジはキャプチャー本体から取り外す必要がなく、緩めるだけで良いので、このあたりは良く考えられています。
固定面はゴム製となっており、ちょっとやそっとではズレる心配はなさそうですね。
キャプチャー専用スタンダードプレート
プレートは別売りのものを購入したので、別パッケージとなっています。
プレートは3種類あり、僕が購入したのはスタンダードプレートです。
スタンダードプレート | マイクロプレート | デュアルプレート | |
---|---|---|---|
互換性 | アルカ・スイス互換 | アルカ・スイス互換 | アルカ・スイス互換 マンフロット RC2互換 |
長さ (cm) | 3.8 x 3.8 x 0.7 | 4.3 x 2.9 x 1.5 | 5.2 x 4.2 x 1.1 |
重量 | 14 g | 22 g | 28 g |
僕はマンフロットの三脚は使用していないので、スタンダードプレートかマイクロプレートを考えていましたが、スタンダードプレートのほうが軽いのでスタンダードプレートを選びました。
プレートは別売りがお得
キャプチャーには、専用のプレートが必要となりますが、キャプチャー本体とプレートのセットとして購入するか、キャプチャー本体とプレートを別売りで購入するかの2択となります。
セットの価格と別売りの価格をまとめてみました。
セット売り
キャプチャー シルバー | キャプチャー ブラック | |
---|---|---|
価格 | 8,570円 | 8,570円 |
別売り
キャプチャー シルバー | キャプチャー ブラック | |
---|---|---|
キャプチャー本体 | 6,665円 | 5,889円 |
プレート | 2,381円 | 2,381円 |
合計 | 9,046円 | 8,270円 |
こういった製品は、セット販売にするから多少お買い得になっているのが普通だと思うのですが、ブラックは価格が逆転しています。(別売りの方が300円安い)
セットの方が在庫切れで一時的に値上がりしているとかなら分かるんですが、そうではなんですよね。実店舗の価格もブラックのほうが安いんですよ。
セットで購入すると特別なパーツが付くわけでもないので、僕はブラックのキャプチャー本体とプレートを購入しました。
キャプチャーV2との違い
僕が購入したのは、キャプチャーV3です。V3となっていることから分かる通り、三代目です。
代を重ねるごとに、機能やデザイン性がブラッシュアップされてきたので、今購入されるのであれば、キャプチャーV3を選べば間違いないと思います。
V3はV2から小型化されたため、取り付け部の幅が狭くなっている点については注意が必要です。
例えば、ピークデザインのフィールドポーチでは前面部にキャプチャーが取り付けられるようベルト状になっています。
以前のフィールドポーチは、発売された当時のキャプチャーV2の幅を想定していたため、取り付け部の幅が狭いキャプチャーV3は取り付けることが出来ません。
その後、フィールドポーチはマイナーチェンジされ、前面の取り付け部の幅が狭くなったため、キャプチャーV3が取り付けられるようになりました。
キャプチャ―の使用感
一番良く使われる場所であろうバックパックのショルダーに取り付けて運用しています。
バックパックは、ピークデザインのエブリデイバックパックです。
うまく着脱できるだろうかと心配でしたが、やはり結構難しいです。慣れが必要です。
上から真っ直ぐに降ろして来ればすんなりハマってくれますが、少しでも斜めから入れようとするとうまく行きません。
ショルダーの胸の位置なので余計にそう感じるのかもしれません。
エブリデイバックパックを開けなくてもカメラが使用できる
エブリデイバックパックは、サイドがガバッと開く構造なので、普通のバックと比べてもカメラが取り出しやすい構造をしています。
しかしながら、バックを開けて取り出すという行為自体を省くことは出来ないので、いつの間にかカメラを取り出す機会が少なくなってしまっていました。
キャプチャーであれば、もっと気軽に、もっと素早くカメラを取り出すことが出来ます。
レンズも取り付けられる
これがやりたかったがためにキャプチャーを購入したといっても過言ではありません。
望遠レンズなどの一部のレンズには3/8インチネジが取り付けられるため、ピークデザインのプレートも取り付けることが可能です。
例えば、標準ズームレンズと望遠ズームレンズを交換したいとき皆さんはどうされてますか?
先日動物園に行った際に、この状況になりました。
標準ズームレンズ、望遠ズームレンズ、カメラボディ本体と3つの機材があるので、レンズ交換時はどうしても2本の腕のみでは腕が1本足りません。
望遠レンズをキャプチャーで固定しておけば、2本の腕のみで交換が出来るんです。
こういった面白い使い方も出来ますので、ぜひ試してみてください。
ちなみに、ピークデザインからはレンズを固定するためのマウントも発売されていますが、このアイテムではマウントにレンズを装着するので、装着したままレンズ交換は出来ません。
短いネジではエブリデイバックパックに取り付けられない
ピークデザインの公式ホームページの画像をご覧ください。
短いネジでエブリデイバックパックのショルダー部分に取り付けられているように見えます。
ですが、実際にこれをやろうとすると短いネジでは無理なんです。
無理やり付けようとすれば、付けられないことはないのかもしれませんが、無理に付けたとしても使用中にキャプチャーが外れてカメラがキャプチャーごと落下してしまう可能性もあります。
そんなわけで、長いネジを使用しなければいけないわけですが、長いネジは六角レンチが必要なので、気軽に取り外しが出来ません。
色んなところに取り付けが出来るのも売りのひとつなので、半固定になってしまう長ネジは極力使用したくはありません。
これはちょっと想定外でした。
ショルダーバックのショルダーには取り付けられない
これも想定外のひとつでした。
僕はショルダーバッグとして、アークテリクスのマカ2を良く使用するのですが、ショルダー部分にキャプチャーを取り付けようと目論んでいました。
もちろん、キャプチャーを取り付けること自体はなんら問題はありません。
問題なのは、一眼カメラのような重いカメラを取り付けた時です。ショルダーベルトの上側が引っ張られて、ベルトの下側が弛んでしまい、カメラが下がってきてしまいます。キャプチャーはピークデザインのバックのような硬い生地に取り付ける方が相性は良さそうです。
ちゃんと固定されたか心配
正常に固定されるとカチャという音がしますので、ちゃんと固定されたなと認識できます。
裏を返すと、その音が頼りなのです。
周りがうるさくて音が聞こえなかったりすると、カチャという音が聞こえないので、正常に固定されたか心配になります。
カメラストラップと競合する
カメラストラップが邪魔だと感じるため、キャプチャ―を使用しているという方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、キャプチャーがあればカメラストラップは不要になるのですが、カメラストラップって誤って手を放した時の落下防止の効果もあるんですよね。
キャプチャーで運用するのであれば、使用時は常に手でグリップしていなければいけません。
ミラーレスカメラといえど1kgくらいありますし、カメラによっては何十万もするので、落とさないか結構ヒヤヒヤものです。
落下防止にも効果的なアイテムとして、ピークデザインからはカフやクラッチなども発売されていますが、結局何らかのストラップが必要ということでしょうか。ストラップ類からの決別にはもう少し時間が掛かりそうですね。
ブツけてしまう危険性
僕はエブリデイバックパックを普段使いしているため、最近はショルダー部分にキャプチャーを付けっぱなしにしています。
エブリデイバックパックを背負う際に、キャプチャーを壁や柱にブツけてしまうことが何回かありました。
ショルダー部分とはいえ、重量物が取り付けられているわけですから、遠心力が掛かると危険です。
人込みでエブリデイバックパックを背負う際は、周りの方に注意する必要があります。
Really Right Stuffの底面プレートと競合する
僕は、α7R IIIにReally Right Stuffの底面プレートを使用しています。
小指余りとアルカスイス互換の2つの機能があり満足していました。
キャプチャー使用するには、ピークデザインのプレート使用する必要があるわけですが、2段重ねにするかReally Right Stuffの底面プレートを取り外してピークデザインのプレートを取り付けるかのどちらかを選ばなければいけません。
Really Right Stuffの底面プレートもかなりお気に入りなので、ちょっと悩みどころです。
色々な場所に取り付けてみたいという誘惑
ピークデザインの各種バックは、キャプチャーが取り付けられるようになっています。あのバックとキャプチャーを組み合わせたらどうだろう、こういった使い方は出来るかな、など色々と妄想してしまいます。
キャプチャーを最大限生かすためのバック選びが始まってしまうわけです。
まさしくピークデザイン沼にハマってしまう可能性が高い製品だと言えます。
僕は以前、スリング10Lとスリング5L、フィールドポーチを購入しなかった理由を書いた記事を書きましたが、キャプチャーを購入してからというもの、それらが気になって仕方ありません。
ピークデザイン キャプチャーまとめ
ピークデザインのキャプチャーの使用感をレビューしてみました。
使い方がハマれば強力な武器になりますが、実際に使用してみて用途に合わないこともある、と感じました。
もう少し使い方を研究してみる必要はありますが、使い方を考えるだけでも面白いのがこのキャプチャーです。
今までキャプチャーは避けてきたわけですが、キャプチャーをキッカケにピークデザイン沼にハマりそうな気がしています。皆さんもご注意ください。
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