今回はドイツで発表されたLマウントアライアンスとその内容について、パナソニックG9 PROユーザーという目線で期待していることを書きたいと思います。
僕はつい最近パナソニックのG9 PROを購入し、その機能の多さと使いやすさに感心していました。
そして先日ついに、パナソニック、シグマ、ライカの3メーカーのアライアンスが発表されました。ずっと噂になっていて、ついに!という感じですね。
パナソニックも、フルサイズ市場に打ってでるということで胸熱展開です。
G9 PROを使用し始めて日が浅いですが、パナソニックのフルサイズおよび3社のアライアンスについて、僕なりに期待していることを書きたいと思います。
photokina 2018での発表内容
まずはドイツ・ケルンで現地時間9月26~29日に開催されている「photokina 2018」で発表された内容について触れたいと思います。
- パナソニック、シグマ、ライカの3社で「LEICA L Mount Alliance」を締結
- パナソニックはフルサイズブランドLUMIX Sシリーズとしてボディ2モデル、レンズ3本の開発を発表
- ボディは、4700万画素のS1Rと2400万画素のS1
- レンズは、50mm/F1.4の単焦点レンズ、24-105mm、70-200mm(F値は発表されず)
- 2020年末までに10本以上の発売を予定
- シグマもフルサイズFoveon搭載カメラの開発を発表
ブランドイメージが第一
パナソニックがLマウントアライアンスを締結し、開発を発表したフルサイズミラーレスカメラは『LUMIX S』シリーズと呼ばれるそうです。
マイクロフォーサーズの『LUMIX G』シリーズとはブランドを分けてきましたが、折角ライカやシグマと組んだのですから、ブランドイメージを刷新するくらいでやってほしかったなと思いました。
それこそフルサイズではLUMIXというブランドを捨てて新しくブランドを作るのではと思っていました。
LUMIX SシリーズはLUMIXの派生ブランド扱いなのですね。個人的には、全く新しいブランドを作った方が良かったのではと思います。
ライカとアライアンスを組んだのですから、ライカの匂いがするブランドにしたらバカ売れしそうなんですがね。
LUMIXというブランドに拘らなくても良いのではないかと言ったのには理由があります。
パナソニック G9 PROを大絶賛してる僕ですが、パナソニックのLUMIXブランドは世間的に見て、いまいちブランド化出来ていないように思います。
確かにパナソニック GH4、GH5などは大ヒットしましたが、どちらかと言えば動画性能が評価された結果だと思います。
一方で、静止画に力を入れてPROという名前まで用意したG9 PROを今年発売しましたが、一定の評価を得ているものの、実際のところは価格が下がり続けているところを見ると、もしかしたらあまり売れていないのかもしれません。(売れているのかもしれませんが、いずれにしても価格が下がるのはメーカーにとっては良くない)
価格.comより
2018年1月の発売から値段が下がり続け、すでに発売時の4割程度価格が下落しています。4割といったら、次のモデルが発売されるころのモデル末期の価格です。
決して、G9 PROの性能が劣っているからというわけではありません。僕自身G9 PROを使用してみて、性能面と使いやすさは大変気に入っています。
LUMIX SシリーズがこのままLUMIXシリーズの延長でうまくブランドの差別化が出来なかったら、G9 PROの二の舞になってしまわないか心配です。
ちなみに、ソニー α7 IIIは2018年3月の発売以来、値段が下がっていません。人気過ぎて価格を下げる必要がないからです。
パナソニック製フルサイズセンサーへの期待
現在各社の主力製品に採用されている一眼用デジタルフルサイズセンサーはキヤノン製とソニー製の二社に集約されているように思います。
キヤノンはデュアルピクセルCMOSセンサー、ソニーは裏面照射型CMOSセンサーあるいは積層型CMOSセンサーという方式のセンサーを採用しています。
デュアルピクセルCMOSセンサー
裏面照射型CMOSセンサー
パナソニックのフルサイズセンサーは、パナソニック設計によるパナソニック製造のイメージセンサーとアナウンスされており、キヤノンやソニーのセンサーとどのように違うのか非常に気になるところです。
G9 PROの性能は、僕自身使用してみて、非常に優秀だと感じています。現在発売されているデジタルカメラの中で一番高機能なカメラかもしれません。
あとは、高感度性能やダイナミックレンジが改善されれば、敵無しなカメラだと思います。センサーがフルサイズ化されることによって高感度性能やダイナミックレンジが改善されたらどんな素晴らしいカメラになることでしょうか。
ボディサイズはG9 PRO程度に抑えてほしい
マイクロフォーサーズのG9 PROと同程度のボディサイズを希望しています。G9 PROはマイクロフォーサーズの中でも、最大サイズのマイクロフォーサーズ機なので、ボディサイズそのままにフルサイズ化してくれたらと思います。
optyczbeにハンズオンレビューが出ていましたので簡単に紹介します。
- グリップがしっかりしており、大きな手の人でも指が余ることなくグリップ出来る。
- パナソニックS1Rはコンパクトではなく、ソニーα7 III・ニコン Z 6・キヤノンEOS Rよりはるかに大きい。
- 一眼レフカメラからの乗り換えを意識した作りこみが施されており、物理操作ボタンが配置されている。
- パナソニックS1Rはスロット1にXQDカード+スロット2にSDカードを採用しており、キヤノンEOS RやニコンZ7のような批判は当てはまらない。
- 3軸チルトは上下方向だけでなく、左右方向にもチルト可能。(写真を見る限りでは右方向にしかチルトしていない)
α7 IIIとS1R
α7 IIIとG9 PRO
α7 IIIとG9 PROの比較ではG9 PROの方が一回り大きく、α7 IIIとS1Rの比較ではS1Rの方が二回り大きく見えます。もしかしてG9 PROよりS1Rの方がボディサイズは大きいのでしょうか。
マイクロフォーサーズ変換マウントも出して欲しい
パナソニックは現在マイクロフォーサーズレンズを50本以上発売しています。オリンパスやサードパーティ製レンズも含めると200本近くとなります。小型軽量なレンズが既にこれだけあるのですから利用しない手はないはずです。
フルサイズ対応レンズでマイクロフォーサーズのような小型軽量なレンズは難しいでしょう。Lマウントとマイクロフォーサーズの変換マウントを出せば、ボディはフルサイズ機で、レンズは小型軽量なマイクロフォーサーズレンズが使用できます。
マウントアダプターがあれば、今までパナソニックのマイクロフォーサーズを使用していた人も、ちょっとパナソニックのフルサイズミラーレス機をボディだけでも買ってみようかな?と思うはずです。
逆に、パナソニックのフルサイズ機を持っている人がもっと小型軽量なレンズが良いと思ったらマイクロフォーサーズレンズも選択肢に入るはずです。
フルサイズセンサーでマイクロフォーサーズレンズを使用する場合、クロップされて画素数が少なくなってしまいますが、4700万画素を有する高画素機の『S1R』であれば、マイクロフォーサーズレンズでクロップされても1200万画素ほど残りますので、十分実用の範囲です。
Lマウント(通称ライカSLマウント)のフランジバックは20mmで、マイクロフォーサーズのフランジバックも20mmなので、マウントアダプターで変換するにはちょっと難しそうですかね。
コントラストAFのみで大丈夫?
G9 PROはコントラストAFのみのAFシステムでしたが、パナソニックは引き続き、像面位相差AFを使用せずに、コントラストAFのみでAFさせるそうです。
今後AI技術を活用して精度を高めていくそうですが、マイクロフォーサーズより被写界深度が浅くなるフルサイズでコントラストAFの速度がどれくらい出るのかは見ものですね。
機能面の強化はもう十分?
今後発売されるフルサイズミラーレスカメラが、6Kフォト、プリ連射、ハイレゾモードなどトップクラスの機能を有するG9 PROと同様の機能だとすると、これ以上機能は要らないように思います。あっても使いこなせない自信があります笑
既に発表されている4K60Pは実装されるとして、あるとすれば、8Kフォトでしょうか。
S1RのハイレゾモードのXLサイズは1億4000万画素(4700万画素の4倍)とかになるのでしょうか。笑っちゃいますね。というか、そんな1億4000万画素に耐える高解像なレンズが今後出てくるのでしょうか、ちょっと疑問です。
シグマ製Lマウントレンズに期待
シグマはミラーレス用としてソニーα Eマウントにもレンズを発売していますが、一眼レフ用のレンズのフランジバックを伸ばしただけのレンズのため、ミラーレスカメラの小型化に全く寄与していないレンズとなっています。
小型なミラーレス用レンズは専用で設計する必要があります。
シグマはフルサイズミラーレス専用レンズを設計する気がなかったのかと思いきや、今回のアライアンスではLマウントに本格参戦ということで、Lマウント専用のミラーレス用レンズを作る可能性が高いというわけです。
シグマもフルサイズFoveonカメラを開発するよ
カメラ機材が好きな人にはうれしいニュースです。今までセンサーサイズがAPS-CだったシグマのFoveonがフルサイズとなって登場するそうです。
シグマのFoveonセンサーと言えば、一般的なベイヤ―センサーと比べて、解像感に優れていることで知られています。
一般的なベイヤーセンサーであるα7 IIIとFoveonセンサー搭載のシグマ機を比較すると、α7 IIIのピントが外れていると思わせるくらいシグマの方がシャープです。
解像感に優れている一方で、高感度耐性が弱く、今までのFoveonセンサー搭載カメラですと、iso 6400ですら絵が破綻してしまうほど高感度が弱いという弱点がありました。
ここ数年でどれだけシグマのセンサー技術が進化したのか、非常に気になるところです。
オリンパスは参加しないの?
G9 PROがこれだけ値下がりしていることを考えると、新製品を出してもすぐに値下がりするパナソニックのフォーサーズカメラはブランド化できていないと考えられます。したがって、パナソニックとして今後もマイクロフォーサーズに開発力を注力するとはあまり考えられず、高付加価値のフルサイズ市場が主戦場となるはずです。
また、マイクロフォーサーズ用のレンズも開発していたシグマも今回のアライアンスでライカLマウント用に注力していくと思われます。
パナソニックとシグマの存在感が薄くなると予想されるマイクロフォーサーズフォーマットの中で、オリンパスはどうするつもりなのでしょうか?
マイクロフォーサーズで頑張るのか、オリンパスも独自マウントでフルサイズに参戦するのか、あるいは今回のパナソニック、シグマ、ライカ連合の軍門に下るのか、どの選択肢も茨の道のように感じます。
そこで、ソニーEマウントでフルサイズ参戦なんかどうでしょうか?面白くないでしょうか?
マウント径やフランジバック長から考えると、マイクロフォーサーズとマウントアダプターで一番接続しやすいフルサイズマウントだと思います。
パナソニック フルサイズ機への期待まとめ
パナソニック、シグマ、ライカの3社がアライアンスを組んだというニュースと共にパナソニックがフルサイズミラーレスカメラ開発の発表をしたことについて、僕なりに期待していることを書いてみました。
パナソニック単体で、新開発のマウントを開発するという手もあったわけですが、今回3社のアライアンスを組んだということで、我々が想像以上の展開を期待しています。
発売は来年春ということで、あと半年くらい先の話ですが、期待が膨らむばかりです。
ソニーのα7 IIIを使っている僕としては、フルサイズミラーレス市場が賑わってきてうれしく思います。
スペック公開の続報も期待して待ちたいと思います。
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