今回はパナソニックのライカ標準ズームレンズである『LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)』の描画チェックをしてみたいと思います。
以前、パナソニックLUMIXコンシェルジュサービスの交換レンズレンタルサービスを利用して、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)をレンタルしてみました。折角なので、今回はG9 PROとの組み合わせで、レンズの描画チェックをしてみました。
パナソニックの交換レンズレンタルサービスを利用した際の様子や注意点を記事にしていますので、気になる方は合わせてご覧ください。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)
レンズ概要
主な特徴
- ズーム全域で優れた描写特性を実現
- 大口径F2.8スタートの標準5倍ズームレンズで、35mm判換算で広角24mmから望遠120mmまで幅広い領域をカバー
- 新開発手ブレ補正システム「Dual I.S.2」に対応
- 高速・高精度AFで高画質撮影をサポート
- クリアな画質を獲得できる独自技術のナノサーフェスコーティング
- 4K動画撮影をサポートする手振れ補正機能を搭載
スペック
基本仕様 | |||
---|---|---|---|
対応マウント | マイクロフォーサーズマウント系 | フォーカス | AF/MF |
レンズ構成 | 12群14枚 | 絞り羽根枚数 | 9 枚 |
焦点距離 | 12~60 mm | 最短撮影距離 | 0.2 m |
最大撮影倍率 | 0.3 倍 | 開放F値 | F2.8-4 |
画角 | 84~20 度 | 手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | ○ | 防滴 | ○ |
サイズ・重量 | |||
最大径x長さ | 68.4×86 mm | 重量 | 320 g |
フィルター径 | 62 mm |
マイクロフォーサーズというフォーマットを生かした軽量コンパクトな5倍ズームレンズ。ライカの設計品質による高性能な描画性能を有しています。F2.8通しやF4通のズームレンズに拘らず、広角がF2.8、望遠がF4とすることで小型軽量化なレンズが実現可能となっている。
使いやすいズーム粋とライカ銘が相まって、パナソニックレンズの中で一番人気のレンズとなっています。
ズームとF値の変化
焦点距離 | 焦点距離(35mm判) | F値 |
12mm~ | 24mm | F2.8 |
13mm~ | 26mm~ | F2.9 |
15mm~ | 30mm~ | F3.0 |
16mm~ | 32mm~ | F3.1 |
18mm~ | 36mm~ | F3.2 |
20mm~ | 40mm~ | F3.3 |
23mm~ | 46mm~ | F3.4 |
24mm~ | 48mm~ | F3.5 |
27mm~ | 54mm~ | F3.6 |
29mm~ | 58mm~ | F3.7 |
32mm~ | 64mm~ | F3.8 |
36mm~ | 72mm~ | F3.9 |
52mm~ | 104mm~ | F4.0 |
F2.8なのは12mmのみで、ズームするとF値がとたんに変化します。24mmでF3.5まで行って、36mmでF3.9まで行ってしまうため、F値の変化は比較的早いですね。F2.8は広角端だけで、それ以外はほとんどF4くらいに思っておくと良いかもしれません。(広角側は明るいレンズだと思っていると、実は明るいのは広角端周辺のみ)
H-ES12060の性能チェック
レンズの基本性能である、解像性能、逆行耐性、ボケについて実際に撮影した画像からチェックしてみました。
また、ビルドクオリティおよびデザインは個人的な主観に基づいて評価してみようと思います。
解像性能
12mm(35判換算24mm)
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
センターは開放F2.8からすでにピーク付近の解像となっています。F8までほとんど変わらず、F11で少しそふとになって、F16でかなりソフトになっていることが分かります。
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
コーナーはF2.8では若干ソフトであると同時に周辺減光の影響が少し見えます。一段絞ってF4では周辺減光はなくなり、解像も上がります。解像のピークはF5.6からF8といったところでしょうか。F11ではセンターと同様に少しソフトに、F16ではかなりソフトになります。
周辺までこだわるのであれば、F4に絞ると良いかもしれません。ベストはF5.6からF8あたりですね。
解像性能(ハイレゾモード)
ハイレゾモードとは、G9 PROのボディ内手ブレ補正の機構を活かして、センサーをシフトさせながら計8回の連続自動撮影を行い、カメラ内で自動合成処理を行うことにより、通常撮影時の約2033万画素に比べて4倍の画素数を持つ約8000万画素相当の高解像画像を生成。細かなディテールまで美しく描写するので、被写体の持つ精細感や臨場感を最大限に記録することができます。
ハイレゾモードを使用することにより、レンズの解像能力を通常よりも引き出すことが出来るので、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)の実力の上限を測ることが出来ます。
ƒ/8, 1/6, 60 mm, ISO 200
通常撮影(約2000万画素)
LLサイズ(約4000万画素)
XLサイズ(約8000万画素)
通常撮影とハイレゾモードのLLサイズ、XLサイズを等倍ピクセル切り出しで掲載しています。通常撮影とLLサイズは明らかにLLサイズの方が解像感が高いですが、LLサイズとXLサイズでは解像感に差がありません。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)の解像力はハイレゾモードのLLサイズ以上XLサイズ未満ということが言えます。ズームレンズなのでLLサイズの解像が限度でも仕方ありませんね。
XLサイズでも十分に解像させたいのであれば、単焦点レンズを使用することになりそうです。
逆光耐性
12mm(35mmフルサイズ換算で24mm)の逆光耐性をチェックしてみました。木の枝の間から覗く太陽をフレームの正面に入れて、F値を変化させながらフレアやゴーストが出ないか確認します。
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
F22
多少のコントラスト低下はありますが、気になるようなゴーストは確認されません。フレアは上下左右方向に少し赤く色づいているように見えますね。これだけの逆光を真正面に入れてもこの程度の影響だったので、逆光性能はかなり高いと思われます。
ボケ
12mm(35mm判換算24mm)のボケをチェックしてみました。ピントは雲台のRRSロゴの真ん中のRに合わせています。
F2.8
F4
F5.6
近景の草むらのボケはズームレンズとしては、比較的きれいだと思います。このような密集した草木の場合は、2線ボケなどで非常に見苦しいことがありますが、2線ボケの傾向は比較的少ないと思います。(全く無いというわけではない)
F2.8
F4
F5.6
玉ボケも非球面レンズを使用しているズームレンズとしては、比較的きれいだと思います。非球面レンズを使用したレンズでは玉ボケの縁が目立ちますが、このレンズはそこまで目立ってはいないと思います。開放F2.8では若干口径食が見られますが、一段絞ってF4とすると口径食も目立たなくなりました。
ボケのスムーズさと口径食ともに、5倍のズームレンズということを考えれば、高水準なボケ性能を有したレンズだと思います。
ビルドクオリティおよびデザイン
ライカのレンズとほぼ同等のデザインなので、気品があると感じられます。また、ズームリングが滑らかに回転し、引っ掛かりがなくスムーズにズーミングできます。僕が愛用しているソニー FE 24-105mm F4 G OSSよりもズーミングは優れていると思います。パナソニック製のレンズではありますが、ライカのレンズが使用できるというのはLUMIXシリーズの特権ですね。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)描画チェックまとめ
今回はパナソニックのライカ標準ズームレンズLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)の描画チェックを行ってみました。マイクロフォーサーズフォーマットという先入観があり、正直なめてましたが、はっきり言ってすばらしいレンズだと思いました。今回確認した項目ごとに結果をまとめてみるとこんな感じでしょうか。
解像力・・・とても良い
逆光耐性・・・良い
ボケのきれいさ・・・良い
ビルドクオリティ/デザイン・・・とても良い
コスパ・・・良い
ライカに憧れて、ライカを使いたいけれど値段がちょっとという方にとって、パナソニックのライカレンズは十分代替足りうるレンズだと思います。そうでなくとも、このレンズが使いからマイクロフォーサーズを積極的に選ぶ理由にもなりうるレンズだと思います。
こんな優れた描写力のレンズがこれだけ小型コンパクトだとは、パナソニックのライカレンズ恐るべし!ですね。
今回はレンタルしたレンズで試してみましたが、素晴らしいレンズだと分かったので一本欲しくなりました。
いずれ機会があったら、他のレンズもレンタルして試して見たいとお思います。
パナソニック ライカF2.8-F4ズーム3兄弟
ライカ銘のズームレンズは、他社のようなF2.8通しのズームレンズ群(通称大三元)やF4通しのズームレンズ群(通称小三元)とは少し違ったF2.8からF4までのF値可変ズームレンズとなっています。
F2.8からF4なので、中三元とでも呼称する感じでしょうか。
3本ともとても評判の良いレンズなので、いずれもオススメできるレンズです。
広角ズームレンズ LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH. (H-E08018)
特徴
- 大口径F2.8スタートの明るい超広角ズームレンズで、16mmから36mmまでの広角撮影をカバー
- AFサーチ時の高速・高精度・静音化を実現し、高画質な4K動画撮影を強力にサポート
- 独自技術のナノサーフェスコーティングが、ゴーストやフレアを大幅に低減し、透明感のある描写に貢献
- 野外での幅広いシーンに対応できる防塵・防滴仕様
- レンズの名門ライカの名に相応しい高品位なデザイン
スペック
基本仕様 | |||
---|---|---|---|
対応マウント | マイクロフォーサーズマウント系 | フォーカス | AF/MF |
レンズ構成 | 10群15枚 | 絞り羽根枚数 | 7 枚 |
焦点距離 | 8~18 mm | 最短撮影距離 | 0.23 m |
最大撮影倍率 | 0.12 倍 | 開放F値 | F2.8-4 |
画角 | 107~62 度 | 手ブレ補正機構 | |
防塵 | ○ | 防滴 | ○ |
サイズ・重量 | |||
最大径x長さ | 73.4×88 mm | 重量 | 315 g |
フィルター径 | 67 mm |
広角を担うライカ銘のズームレンズです。描画性能はLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)そのままに、広角側をカバーします。LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.(H-ES12060)が5倍ズームだったのに対し、このレンズは2.2倍ズームとズーム倍率としては物足りませんが、必要以上に大型にならず、軽量コンパクトなレンズとなっています。
望遠ズーム LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. (H-ES50200)
特徴
- F2.8-4.0「ELMARIT(エルマリート)」の明るさを実現した高性能・高品質レンズ
- 超望遠レンズながら、手ブレ補正搭載で約655gの軽量さと全長約132mm(最大径76mm)の小型サイズを実現
- AFサーチ時の高速・高精度・静音化を実現し、高画質な4K動画撮影を強力にサポート
- 別売のテレコンバーターを装着することで、通常の焦点距離400mmの2倍の800mmまで焦点距離を拡張
- 野外での幅広いシーンに対応できる防塵・防滴仕様※1で、機動力のある撮影が可能
- 独自技術のナノサーフェスコーティングが、ゴーストやフレアを大幅に低減し、透明感のある描写に貢献
- レンズの名門ライカの名に相応しい高品位なデザイン
スペック
基本仕様 | |||
---|---|---|---|
対応マウント | マイクロフォーサーズマウント系 | フォーカス | AF/MF |
レンズ構成 | 15群21枚 | 絞り羽根枚数 | 9 枚 |
焦点距離 | 50~200 mm | 最短撮影距離 | 0.75 m |
最大撮影倍率 | 0.25 倍 | 開放F値 | F2.8-4 |
画角 | 24~6.2 度 | 手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | ○ | 防滴 | ○ |
サイズ・重量 | |||
最大径x長さ | 76×132 mm | 重量 | 655 g |
フィルター径 | 67 mm |
望遠を担うライカ銘のズームレンズです。こちらも他の日本と同様に描画性能は評判がとても良いです。ズーム倍率が4倍と比較的倍率が高いのに対し、それほど大型化していない点がすばらしいです。一般的に4倍の望遠ズームレンズはF値が大きくなる傾向(例えば、ソニー FE 100-400mm GMのF値はF4.5-F5.6)にありますが、このレンズはF2.8-F4とF値が暗くなっていません。ひとつ難点があるとすれば、他の2本より割高なことでしょうか。
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