僕はソニー α7 IIIを愛用していましたが、この度ソニー 『α7R III』に乗り換えることにしました。
今回は改めてα7 IIIとα7R IIIの比較をしながら、僕がα7 IIIからα7R IIIに乗り換えるに至った理由を書きたいと思います。
以前僕が書いた記事「Sony α7 IIIの下克上! ソニー α7IIIとα7RIIIを比較してα7 IIIを購入しました」は、僕のブログの中でもトップ3に入るくらい良く読まれている記事です。読んでくださった方はありがとうございました。
その中で、α7 IIIとα7R IIIを比較しながらα7 IIIがいかに素晴らしいか書いています。また、α7 IIIとα7R IIIで迷っている方がいたらα7 IIIをオススメします、とも書いています。
もしかしたら、僕の記事を読んでα7 IIIに決めたという方もいらっしゃるかもしれません。
そんな僕が今回α7 IIIからα7R IIIに乗り換えました!
・・・これは土下座しないといけないやつですかね。
いえいえ、僕が乗り換えた理由を理解してもらえれば、きっと分かってくれると信じています。
α7 IIIとα7R IIIのおさらい
α7 IIIは、2018年3月23日発売のソニーフルサイズミラーレスカメラです。
ソニーのデジタルカメラの後継モデルが出るタイミングは比較的早いので、前モデルのα7 IIが2014年12月5日で4年近く経過していたこともあって、α7 IIIがもうすぐ出るのではとずっと言われ続けていました。
2018年の上期には、毎年3月に横浜で開催される日本最大級のカメラの展示会であるCP+や4月にアメリカで開催される世界最大級の放送・映像業界のイベントNABでの発表が有力視されていましたが、2月26日にラスベガスで開催されたWPPIで突如として発表されました。WPPIは、ウェディングやポートレートを対象しており、NAB等に比較して小さな展示会だったので、WPPIでα7 IIIが発表されるとは誰も予想だにしていませんでした。
一部機能は、α7R IIIやα9より優れており、ベーシック機という枠にとらわれない機種として大変人気です。
α7R IIIは、2017年11月25日発売のソニーフルサイズミラーレスカメラです。
2015年8月7日発売の前モデルα7R IIから2年ちょっとだったので、かなり早いリニューアルでした。α7R III発表以前、次に発表されるのはα7 IIIだと誰もが予想していましたが、まさかα7R IIIが先に発売されるとは。
α7R IIの欠点をブラッシュアップした総合力の高いカメラになっており、DxOMarkの評価では全フルサイズカメラ中、総合評価一位となっています。
価格情報
Sony α7 III ILCE-7M3(ボディのみ)の最新価格情報 | ||||
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Sony α7 III ILCE-7M3K(レンズキット)の最新価格情報 | ||||
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ソニー α7R III(ILCE-7RM3)の最新価格情報 | ||||
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α7R IIIは半年間で少し安くなりましたね。逆にα7 IIIは一切値下がっていないところが凄いです。それだけ人気なのでしょう。
概観比較
外箱
α7R IIIの外箱の方が若干大きいのですね。
ボディと付属品
α7 IIIの付属品との違いですが、あったものが無かったり、無かったものがあったりしました。
α7 III | α7R III | |
バッテリー | ○ | ○ |
充電器(電源ケーブル付) | ー | ○ |
ストラップ | ○ | ○ |
ACアダプター | ○ | ー |
USBケーブル Type-MicroB | ー | ー |
USBケーブル Type-C | ○ | ○ |
ケーブルガイド | ー | ○ |
僕はα7 III使用時に、充電器は別売りのものを購入していました。別売りの充電器の電源ケーブルとα7R IIIに付属している充電器の電源ケーブルでは、付属の電源ケーブルの方が長さが半分くらい短かったです。
別売りの充電器の電源ケーブルは若干長いなと思っていたので地味にうれしい。
ボディ概観比較
左側がα7R IIIで右側がα7 IIIです。見た目は本当にそっくりですね。
さて、ここで問題です。概観を比較した時にα7R IIIとα7 IIIの違いは何でしょうか?
(三角環の有無と液晶保護フィルター貼付の有無、ロゴ名称がα7R IIIとα7 IIIの違いは除きます)
正解は・・・
- モードダイヤルのロックボタンの有無(α7R IIIがボタンあり、α7 IIIはボタンなし)
- モードダイヤルで設定できるモードの種類(α7R IIIがカスタムモード設定が3まで、α7 IIIはシーンセレクション)
- モードダイヤルの厚み(α7R IIIの方が若干厚い)
- 背面左上のロゴマークの光沢(α7R IIIは光沢あり、α7 IIIは光沢なし)
- 全体的なシボ加工の度合い(α7R IIIの方が若干多い、気のせいか?)
α7 IIIからα7R IIIに買い換えた理由
見た目はほとんど変わらないα7 IIIですが、なぜα7R IIIに買い換えた理由を書いていきたいと思います。
データ量の耐えられると高画素が生きてくる
以前の記事では、僕は全紙印刷などはしないので4240万画素は不要、むしろ写真のデータ量が重くなるだけでデメリットもある、と書いていました。全紙印刷をしないというのは今でも変わっていません。
一方で、データ量が重くなるという点については、解決策の目途が立ってきたため、現在デメリットはあまり感じられなくなってきました。デメリットがないのであれば、4240万画素でも問題ないと判断できますからね。
連写時の書き込み速度の解決策
4240万画素はデータ量が大きいため、連写時のSDカードへの書込み速度がネックになると考えていました。
これはSDカードを高速転送可能なサンディスク『Extreme PRO UHS-II』を使用することで、回避できると考えています。逆にα7R IIIではUHS-II規格のSDカードが必須とも言えます。
α7 III使用時には、スロット1にExtreme PRO UHS-IIを使用していましたが、むしろSDカードの転送能力の方が勝っていたように感じました。
以前記事にしましたが、α7 IIIとExtreme PRO UHS-IIで連写時の書込速度を調べたものはこちら。
4240万画素のα7R IIIであれば、Extreme PRO UHS-IIの実力をいかんなく発揮してくれることでしょう。
α7R IIIなら高速転送可能なExtreme PRO UHS-IIを買った甲斐があるとも言えます。(まさか後々のα7R IIIの布石だった?)
PC取り込み時の読込速度の解決策
4240万画素はデータ量が大きいため、SDカードからへPCへの取り込み時間が掛かると考えられます。
これはソニーの高速転送可能なカードリーダー『MRW-S1』を使用することでデータ取り込み時間を最小化できます。撮影終了後にPCに取り込むだけなので、ある程度時間がかかっても支障があるわけではありませんが、速いに越したことはありません。
こちらもMRW-S1がどれくらい速いか調べた記事を書いていますので、気になる方はご覧ください。
データストレージ容量の解決策
4240万画素はデータ量が大きいため、写真データの保存場所に困ると考えていました。
これはアマゾンの『Prime フォト』およびグーグルの『Google フォト』を活用することで問題はなくなりました。
Prime フォトはRAWおよびJPEGを非圧縮で無制限に保存できますし、GoogleフォトもJPEGを圧縮して無制限に保存することが出来ます。両サービスも無料(正確にはPrime フォトはAmazon Primeの年会費3800円を支払っている)なので、もちろん併用して使い倒しています。
両サービスともそれぞれの特徴などを記事にしていますので、どちらが良いか比べてみてください。
個人的には、無料のオンラインストレージサービスは突然サービス内容が変更になって使いにくくなったり、最悪サービスを終了する可能性もゼロではありませんので、両サービスとも併用することをオススメします。
というわけで、データ容量を気にする必要がなくなったので、4240万画素でも問題なしですね。
逆にトリミングするなら4240万画素あると良いことあるかも
α7 IIIおよびα7R IIIはAPS-Cクロップ機能がボタン一つで出来るため、瞬時に1.5倍クロップに切り替えが出来ます。α7 IIIでAPS-Cクロップすると1000万画素残りますが、α7R IIIは1800万画素も残ります。
1800万画素は、α7 IIIの2420万画素に近いので、おおざっぱに言ってしまえば、α7R IIIをAPS-Cクロップしてもα7 IIIくらいの解像度の写真が撮れるということです。(ダイナミックレンジとかノイズ量とかの話はここでは置いてあります)
APS-Cクロップが積極的に使えるとすると何が良いかというと、次のふたつのメリットがあります。
- 焦点距離が1.5倍相当になる
- 被写体が1.5倍大きく撮れる
焦点距離が1.5倍相当になると何が良いのか
野生動物や野鳥、スポーツ撮影などで焦点距離を伸ばしたい場面は多々あります。そのようなときに望遠レンズの焦点距離を伸ばす方法として、フルサイズ用レンズをAPS-Cカメラに付ける、テレコンバーターを装着する、という2通りの方法があります。
焦点距離を伸ばすためだけに、わざわざAPS-Cカメラを購入する方もいますが、α7R IIIであればボタン一つでAPS-Cクロップされるので、APS-Cカメラを別途用意する必要がありません。フルサイズ画角で撮影したいときは再度ボタン一つで元に戻すことが出来ます。
焦点距離を伸ばす目的でAPS-Cカメラを購入するなら、α7R IIIを購入すればAPS-Cカメラを買う必要はないわけです。
1.4倍のテレコンバーターを使用するでも、APS-Cクロップすれば焦点距離が1.5倍になるので、α7R IIIを購入すればテレコンバーターを使用する必要はありません。テレコンバーターも高価なので、買う必要がなくなるとすると金銭的なメリットは大きいです。テレコンバーターを使用すると、光学性能が少なからず劣化しますし、レンズの明るさも暗くなるため、APS-Cの方がメリットは大きいです。
被写体が1.5倍大きく撮れると何が良いのか
被写体を大きく撮るというとマクロレンズが必要になります。これまたAPS-Cクロップで被写体が1.5倍になりますので、通常のレンズがマクロレンズ並みの最大撮影倍率になったり、マクロレンズがさらに最大撮影倍率が上がったりします。
例えば、僕が愛用しているFE 24-105mm F4 G OSS (SEL24105G) の最大撮影倍率は0.31 倍なので、APS-Cクロップの1.5倍で最大撮影倍率が0.46倍相当となるため、ほぼハーフマクロレンズとしても使用できます。
F4通しの4.4倍ズームレンズがハーフマクロしても使用できるので、さらに手放せない存在になりそうです。
また、α7R IIIであればマクロレンズを別途購入したり、マクロ撮影時にレンズを付け替えたりする必要がなくなるので、メリットはかなり大きいと思います。
実は高感度耐性はほぼ同じ
以前の記事では、α7 IIIの高感度性能が最強で、フルサイズ中一番であると書きました。それは事実で今も変わっていません。
ではどれくらい差があるのでしょうか?
α7 III | α7R III | |
---|---|---|
常用最大ISO感度 | 51200 | 32000 |
スペック上では、α7 III=iso 51200、α7R III=iso 32000となっており、α7 IIIの方が優れているように見えます。
dpreviewの実写比較でもα7 IIIの方が高感度ノイズ性能が高いように見えますね。
iso 51200で比較してみると、確かにα7R IIIの方が一つあたりのノイズが大きいように見えます。
この結果は、スペック上の常用最大iso感度がα7 III=iso 51200、α7R III=iso 32000であることと、感覚にはなりますが一致します。
ですが、これはピクセル等倍で見た場合の話です。
被写体が同じサイズに見えるようにリサイズするとどうでしょうか。画像を同じサイズに揃える事を鑑賞サイズを揃えると言ったりします。
より解像度が高いα7R IIIの画像では、大きかったノイズが縮小されて目立たなくなりました。その結果、α7 IIIとα7R IIIのノイズ量は同じくらいに見えます。
つまり画像サイズを同じにすると、ノイズ耐性は同じくらいの性能だったということです。
また、dxomarkの高感度耐性評価(Sportsという項目名)では、α7 IIIが3730、α7R IIIが3523となっています。dxomarkも画像サイズを同じにして高感度性能を評価している評価サイトです。
一見すると、3730と3523なので、200ポイントほどα7 IIIの方が優秀そうに見えます。ここで注意しなければいけないのが、iso感度は100, 200, …, 1600, 3200, 6400, …と倍々になっていきますよね。
では、3730と3523が何段違うのか計算してみると、0.08段分に相当することになります。0.08段なんて、ほぼ誤差と言っても過言ではありません。つまりはα7 IIIとα7R IIIの高感度性能はほぼ同じだったというわけです。
なぜこのようなことになるかと言えば、画像を縮小するとノイズ量が減ったように見えるからなんです。どれくらいノイズが減るかを計算する計算式もあったりしますが、長くなりそうなのでこの記事では割愛します。いずれにしてもα7R IIIは画素数が多いため、縮小したときにノイズが減りやすいというは覚えて損は無いと思います。
今回は価格がキーポイント
恐らく買い替えのキッカケになった項目が価格です。
僕がα7 IIIを購入した2018年3月時では、α7 IIIは実売価格22万円、α7 RIIIが実売価格32万円前後でした。
およそ10万円の価格差があったため、一部機能でα7R IIIを上回っているα7 IIIのお得感がありました。
半年たった現在ではどのような価格になっているでしょうか。
α7 IIIは半年経った現在でも22万円という値下がり一切無しの奇跡の相場となっています。人気過ぎて供給が追いついていないのでしょう。
一方α7R IIIはというと、身内からα7 IIIという強力なライバル機種が発売されたこともあり、α7R IIIは少し下げて29万円となっています。ニコン Z7が発売されたタイミングなので、α7R IIIの値下げ交渉もしやすいタイミングです。量販店でうまく交渉できれば、ポイントも含めた実質価格だと28万円前後で購入も可能でしょう。
さらに、ソニーはニコン Z7の発売に合わせて、α7R IIIが3万円キャッシュバックとなるキャンペーンを実施し始めました。
キャッシュバックキャンペーンの詳細については、記事にしていますので、α7R IIIを検討中の方はチェックしてみてください。
28万円+3万円キャッシュバックで実質25万円でα7R IIIが購入出来ちゃいます。
α7 IIIはまだ高値をキープしていますので、買い取り価格も安定しています。したがって、α7 IIIからα7R IIIへもそれほど差額なく乗換えが可能です。
乗り換えるなら今だと思うポイント
現在α7 IIIは供給不足のため高値をキープしていますが、もう1~2ケ月もすれば供給も安定してくるでしょう。
また、10月25日にキヤノン EOS R、11月下旬にニコン Z6が発売を予定しています。両機種が発売されれば人気は割れ、必然的にα7 IIIの需要も少なからず影響があるはずです。つまりあと1~2ヶ月後には、α7 IIIは値下がってくると予想出来ます。
さらに、EOS RやZ6に対抗するために、ソニーがα7 IIIのキャッシュバックキャンペーンを実施する可能性もゼロではありません。(今実施中のキャンペーンが11月までなので、ちょうど次のキャンペーンは11月から)
実売価格の下落やキャッシュバックキャンペーンの開始などで、価格が下がってくれば買い取り価格にも影響が出てきます。α7 IIIの買取価格が高値でキープされているのは今のうちかもしれませんね。
2年後の買い取り価格まで考慮すると
ソニーのモデルチェンジのタイミングは平均して3年前後です。α7 IIIとα7R IIIともに、あと2年ほどで新しいモデルが出る可能性があります。
新しい機種の発売と同時に、今使用している機種を下取りに出して新しい機種に乗り換える方も多いと思います。
状態問わずとした場合、ソニー公式の下取り価格はそのときのソニーストアでの販売額のおおよそ5割程度となっています。α7 IIのときもソニーストアの販売価格が16万円ところ、ソニー公式の買い取り価格が8万円でした。(これは状態問わずの買い取り価格なので、状態が良ければ然るべきところに持っていってさらに高値で買い取ってくれます)
ソニー α7 III | ソニー α7R III | |
実売価格(CB込み) | 22万円 | 25万円 |
ソニーストア販売価格 | 22万円 | 32万円 |
2年後の下取り価格 | 11万円 | 16万円 |
キャッシュバックを考慮した実売価格ベースで言えば、α7 IIIとα7R IIIの価格差は3万円ですが、2年後の下取りでは5万円の価格差となっています。
つまり2年後に下取りすることを考えると、α7 IIIは11万円で所有できて、α7R IIIは9万円で所有できることになります。(当然下取り価格は上記より上になるので、11万円・9万円以下で所有できることになります)
下取りまで考えると、α7R IIIの方がお得ということでした。
RAW+JPEG保存だと連射可能枚数はほぼ同じ
α7 IIIを使用していた際に、ファイル形式を『RAW+JPEG』で設定して、高速転送可能なUHS-II規格対応のスロット1はRAW保存、UHS-I規格対応のスロット2はJPEG保存としていました。SDカードを2枚使用している方は僕と同じように設定している方も多いと思います。
ファイル形式でJPEGを選択した場合、α7 IIIの連写可能枚数は確かに176枚と、α7R IIIの76枚の倍以上の連写が可能です。しかし、RAW+JPEGとした場合、スロット1とスロット2ともにボトムネックであるRAWの連写可能枚数89枚に制限されます。
ソニー α7 III | ソニー α7R III | |
RAW保存 | 89枚 | 76枚 |
JPEG保存 | 177枚 | 76枚 |
RAW+JPEG保存 | 89枚 | 76枚 |
これからもRAW+JPEG保存で撮影するつもりなので、89枚と76枚でしたらほとんど差がありませんね。
AF測距点数は十分
α7 III:693点(画面93%)
α7R III:399(画面68%)
AF測距点数はα7 IIIの693点には敵いませんが、α7R IIIの399点でも十分だと思いました。α7R IIIは位相差AFが画面端にはありませんが、画面端で位相差AFが必要な場合は基本ありません。画面端は基本的には画面中央より画質が劣りますし、メインの被写体を見切れるほど端に置くことも稀です。あるとすれば、フレーミングをミスった時くらいで、つまり自分の腕が足りなかったということですよね。
また、コンティニュアスAFで被写体を追従するときも、感覚的な話になりますが、画面中央の被写体を優先して追っかけるようなアルゴリズムになっているように思いました。
さらに、僕は基本的には風景撮影が多いので、α7R IIIでも問題ありません。
位相差AF時の動作最大F値はF8で問題なし
僕は現在、望遠レンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを使用しています。
さらに焦点距離が欲しいときは、テレコンバーターを使用することになります。
1.4倍テレコンバーターでは1段暗くなり望遠端のF値がF8、2.0倍テレコンバーターでは2段くらくなり望遠端のF値がF11になります。
位相差AF動作最大F値がα7 IIIはF11、α7R IIIではF8のため、2.0倍テレコンバーターを使用するとα7 IIIでは位相差AFが動作しますが、α7R IIIでは位相差AFが動作しないため、AFが遅くなる可能性がありました。
しかしながら、α7R IIIは画素数が4240万画素もあるため、APS-Cクロップしても1800万画素残ります。クロップなしのα7 IIIの2420万画素よりは少し画素数が少ないですが、実用の範囲内です。
α7R IIIではテレコンバーターを使用せずにAPS-Cクロップで代用できるのです。
焦点距離600mm相当
ソニー α7 III | ソニー α7R III | |
1.4倍テレコンバーター | 使用 | ー |
2.0倍テレコンバーター | ー | ー |
APS-Cクロップ | ー | 使用 |
望遠端のF値 | F8 | F5.6 |
位相差AF | ○ | ○ |
画素数 | 2420万画素 | 1800万画素 |
十分な画素数を残した状態で焦点距離600mm相当にするには、α7 IIIは1.4倍テレコンバーターを使用し、α7R IIIはAPS-Cクロップします。α7R IIIはクロップするため、画素数はα7 IIIの方が若干多いですが、F値はα7R IIIの方が1段明るく撮影できます。また、テレコンバーターを使用すると画質の劣化が伴いますが、α7R IIIではテレコンバーターを使用しないため、画質の劣化はないというメリットもあります。
焦点距離800m相当
ソニー α7 III | ソニー α7R III | |
1.4倍テレコンバーター | ー | 使用 |
2.0倍テレコンバーター | 使用 | ー |
APS-Cクロップ | ー | 使用 |
望遠端のF値 | F11 | F8 |
位相差AF | ○ | ○ |
画素数 | 2420万画素 | 1800万画素 |
次に、焦点距離800mm相当にするには、α7 IIIは2.0倍テレコンバーターを使用し、α7R IIIは1.4倍テレコンバーターとAPS-Cクロップを併用します。こちらもF値はα7R IIIの方が1段明るく撮影できます。
費用面のメリットもある
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSで焦点距離800mm相当までをカバーしようとすると、α7 IIIでは1.4倍テレコンバーターと2.0倍テレコンバーターを両方用意しなければいけないのに対し、α7R IIIは1.4倍テレコンバーターのみで済みます。
ソニー α7 III | ソニー α7R III | |
1.4倍テレコンバーター(SEL14TC) | 52,000円 | 52,000円 |
2.0倍テレコンバーター(SEL20TC) | 52,000円 | ー |
合計 | 140,000円 | 52,000円 |
α7R IIIの方が金銭的メリットが大きいですね。
4K動画はそれほど使用しなかった
4K動画について以前の記事で、α7 IIIはフルサイズ画質、α7R IIIはAPS-C画質だと評価していました。確かにα7 IIIの方が良いのかもしれませんが、その違いを感じるほど4K動画を使う機会があるかと言えば、正直なところあまり出番は多くありませんでした。また、4K動画カメラとして高く評価されているパナソニック GH5やGH5Sはマイクロフォーサーズセンサーですので、4K動画程度ならフルサイズほどのセンサーサイズは不要なのかもしれませんね。(8K動画や16K動画ならフルサイズセンサーは必要になってくると思います)
その他の理由
キヤノン EOS Rやニコン Z6、パナソニック S1などの新型フルサイズミラーレスカメラの発表により、ソニー α7 IIIは以前としてスペック的にはリードしているものの、ソニー αシリーズがフルサイズミラーレスカメラであるという唯一の特徴はなくなってしまいました。
また、最近購入したパナソニック G9 PROを使用してみて、その機能の多さに感嘆していたのも僕の最近のトピックスです。
そんな状況で改めてα7 IIIを見たときに、なんだか普通の機種に思えてきました。もちろん写りは一級品であり、カメラを買い換えたからといって、α7 III以上の写真が撮れるわけではありません。ですが、なんだか物足りなく思えてきてしまったのです。
高画素機であるα7R IIIであれば、高画素であることを生かして表現の幅が広がるかもしれません。そんな期待もあり、α7R IIIに買い換えると面白いかもと思うようになりました。
α7 IIIからα7R IIIへ買い換えのまとめ
α7 IIIを購入してから半年間ほど使用しており、大変満足していました。仮に、僕がカメラ機材を一切持っておらず、キヤノン EOS Rとニコン Z6とソニー α7 IIIのどれを買うかと聞かれれば、迷わずα7 IIIを購入すると思います。レンズのラインナップ含めて、現時点でそれくらいソニーは優位に立っています。
しかしながら、α7 IIIにも身内に強力なライバルがおり、今までは価格差があったため、検討から外れていましたが、キャッシュバックキャンペーンなどで価格差があまりなくなってきました。僕が買い替えを本格的に検討し始めたのも価格がキッカケでした。
半年間α7 IIIを使用してきて良いところと悪いところが分かってきて、α7R IIIに買い換えたらもう少し幸せになれそうだったので、思い切って買い換えてみました。今回の記事ではその理由を書いたことで、僕がどんなことを考えてα7R IIIに乗り換えようと思ったのか少なからず分かっていただければ思います。
α7R IIIに乗り換えた方が幸せな人がいる一方で、α7 IIIのままの方が幸せな人もいると思います。
価格面含めて乗り換える環境は整っているので、どちらがより自分に適しているのか見極めて、適切な機種を選択してくださいね。その際にこの記事を参考にしていただけるとうれしいです。
長文になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。