オリンパス OM-D E-M1XとE-M1 Mark IIを比較したらE-M1 Mark IIの方が良いと思った理由

オリンパス E-M1Xボディ

オリンパスよりプロフェッショナルモデルとなる『OM-D E-M1X』が発表となりました。

今回は、E-M1XとE-M1 Mark IIを比較してみると、むしろE-M1 Mark IIで良いんじゃない?と思った理由を書いてみたいと思います。

 

オリンパス OM-D E-M1X

外観

E-M1XとE-M1 Mark IIの正面比較

E-M1XとE-M1 Mark IIの背面比較

E-M1XとE-M1 Mark IIの上面比較

camerasize.comより

左側がE-M1X、右側がE-M1 Mark IIです。

パッと見で分かるとおり、E-M1Xはバッテリーグリップが取り付けられたような形状をしています。

ボタンの種類や配置も少しずつ違う点もありますが、一番の違いはE-M1Xにマルチセレクターが付けられたことですね。

要望されていた方も多いと思いますので、これは良い点だと思います。

スペック

基本仕様
画素数2177万画素(総画素)
2037万画素(有効画素)
撮像素子4/3型LiveMOS
AFセンサー測距点121点(クロスタイプ位相差AF)
121点(コントラストAF)
撮影感度標準:ISO64~6400
拡張:ISO25600
シャッタースピード1/32000~60 秒連写撮影約18コマ/秒
静音連写H/プロキャプチャー連写H:
約60コマ/秒
ファインダー倍率1.65 倍液晶
モニター
3インチ
104万ドット
記録メディアUHS-II対応SDカード
ダブルスロット
撮影枚数液晶モニタ使用時:870枚
その他機能
手ブレ補正機構7.0段ゴミ取り機構超音波防塵フィルター
可動式モニタバリアングル式液晶防塵・防滴IPX1以上
USB充電/給電○/〇インターフェースUSB3.0(タイプC)、
HDMIマイクロ
動画撮影
4K対応フレームレート4K30P/FHD60P
映像圧縮方式MPEG-4AVC/H.264音声記録方式Waveフォーマット準拠
(ステレオリニアPCM/16bit、
サンプリング周波数48kHz)
サイズ・重量
幅x高さx奥行き144.4×146.8×75.4 mm重量849 g(ボディのみ)
997 g(バッテリー込)

E-M1XとE-M1 maka IIでは、スペック上でも違いがあります。

大きなところでは、ファインダーの倍率が1.65倍と高倍率となったこと、手ブレ補正が7段になったこと、大きさと重量が増したことです。

細かなところでは、SDカードスロットが両スロットともUHS-II対応になったこと、USB給電が出来るようになったことです。

また、上記スペック表には出て来ていませんが、ハイレゾショットが手持ちで出来るようになったこと、ライブND機能が追加されたこと、インテリジェント被写体認識AF機能などがあります。

 

E-M1XよりE-M1 Mark IIが良いと思った理由

イメージセンサー性能は同じ

E-M1 Mark IIの発売から2年以上経過して今回E-M1Xが発表となりましたが、残念ながらセンサー性能に違いはないようです。(発売前なので確実ではないかもしれませんが)

画素数/アスペクト比有効画素数 約2037万画素
総画素数 約2177万画素/4:3
有効画素数 約2037万画素
総画素数 約2177万画素/4:3
AF121点(クロスタイプ位相差AF)
121点(コントラストAF)
121点(クロスタイプ位相差AF)
121点(コントラストAF)
標準出力感度ISO LOW(64相当)~6400
拡張:ISO 25600まで
ISO LOW(64相当)~6400
拡張:ISO 25600まで

2年以上も経過しているにも関わらず、同じセンサーというのは正直物足りないと思う方が多いのではないでしょうか。

連射性能も同じ

バッテリーグリップが一体となったプロフェッショナルモデルは、E-M1X以外にも、キヤノンから1D X mark II、ニコンからD5が発売されています。

縦グリップ部分にバッテリーが内蔵できるため、撮影可能枚数が多くなることはもちろんですが、プロフェッショナルモデルの特徴のひとつは、同社のハイエンドモデルに比べて連射性能に優れていることが挙げられます。

プロフェッショナルモデルハイエンドモデル
キヤノン14コマ/秒 (1D X mark II)7コマ/秒 (5D mark IV)
ニコン12コマ/秒 (D5)7コマ/秒 (D850)
オリンパス18コマ/秒 (E-M1X)18コマ/秒 (E-M1 mark II)

キヤノンやニコンのプロフェッショナルモデルを見ると、連射性能が大きく向上していますよね。

一方で、もともとE-M1 Mark2の連射性能は優れていることは確かですが、残念ながらE-M1Xの連射性能はE-M1 Mark IIから向上していないようです。プロフェッショナルモデルは連射性能が強化されるというイメージだったので、このスペックは逆の意味で意外でした。

AF性能は向上したけども

フォーミュラカー

飛行機

鉄道

E-M1Xではディープラーニングを活用したインテリジェント被写体認識AFを実装しています。

ですが、現時点で被写体の対象物がフォーミュラカーラリーカーバイク飛行機ヘリコプター新幹線電車汽車に限られているようです。

今後のファーウェアアップデートで被写体は増えていく可能性はありますが、現時点ではモータースポーツや鉄道系だけで、肝心の人物が入っていません。これでは中途半端感は否めないと思います。

また、ディープラーニングを活用した技術ということですが、ソニー α9のソフトウェアアップデート発表を見てしまった後では、正直なところ驚きはありませんでした。

α9では、任意の被写体を液晶画面でタッチすればトラッキングしてくれるので、E-M1Xのような被写体の制限はありません。E-M1Xとα9が同じくらいの実勢価格なので、僕ならα9を選択するかもしれません。

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マイクロフォーサーズの利点は小型のはず

一眼レフとE-M1Xの大きさ

マイクロフォーサーズは、オリンパスも主張しているように、システム全体が小型になることが利点のはずでした。今回オリンパスとしては、ボディが大きくなることは容認なのでしょうか?

僕がG9 PROを使用して思ったのは、G9 PROの大きさが限界だ、ということでした。残念ながらE-M1Xは許容範囲を超えてしまっています。

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手ブレ補正は被写体ブレには効果なし

手ブレ補正がボディだけで7.0段、対応レンズと組み合わせて最大7.5段の手ブレ補正を有しています。確かに7.5段は素晴らしいと思いますが、E-M1 Mark IIでも最大6.5段だったので、ここまで行ったら正直どちらでも変わらないと思います。

また、プロフェッショナルモデルが活躍するスポーツシーンや野生動物などの動体撮影では、被写体ブレを抑えるためにある程度シャッタースピードを上げる必要があります。

そのようにシャッタースピードを上げる前提であれば、手ブレ補正機能はなくても撮影が可能です。

本来であれば、プロフェッショナルモデルが活躍する動体撮影時には、手ぶれ補正7.5段の嬉しさが半減としてしまうように感じます。

また、強力な手ブレ補正機能があれば三脚を持ち歩かなくても良い、という方もいるかもしれません。

しかしながら、三脚を持ち歩きたくないという方が果たして約1kgもあるE-M1Xを持ち歩くか?と僕は疑問に思います。

三脚を使用する前提であれば、E-M1 Mark IIでもハイレゾショットが使用できますし、E-M1 Mark IIで十分な気がします。

風景写真に使うか?

7.5段の手ブレ補正や手持ちハイレゾショットを有しているので、被写体が動かない風景写真などには、効果を発揮するかもしれません。

では、風景写真にE-M1Xを使用するか?ということですが、僕なら三脚(あるいは一脚)を持っていくと思います。三脚を使用する前提なら手ブレ補正機能は意味がなくなりますよね。

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ライブNDは期待外れ

E-M1XのライブND

デジカメWatchより

電子的に光量を可変できるND機能が搭載されているのかと思っていましたが、どうやら逐次読み出して複数の画像を重ねる多重露光をしているだけのようです。

読み出しをしている最中は、当然のことながら露光は行わていませんので、いわばシャッターを切ったことと同じことになると思われます。

これなら普通に連射した複数枚画像をPhotoshopで合成しても同じことが出来ます。

滝や海、湖面などは問題ないでしょうが、車テールランプなど連続的な軌跡が必要な場合では、E-M1XのライブNDではうまくいかない可能性が高いと思います。

過剰な防滴防塵性能

Olympus OM-D – Enhanced dust, splash and freeze-proof construction (JP)

防塵防滴性能は高いことは確かに良いことなのですが、それが価格や重量に跳ね返ってくるとしたら、僕はあまり賛成できません。

比較的防塵防滴性能が良くないと言われているソニー機ですら、現状十分だと感じているので、E-M1Xは少し過剰かなと思いました。

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望遠レンズのラインナップが少ない

オリンパスのレンズロードマップ

PROシリーズの望遠レンズは現在ED 40-150mm F2.8 PROED 300mm F4 IS PROの2本しかありません。E-M1Xと同時に発売すると噂されていた150-400mm F4.5は、2020年発売予定とまだ先の話です。

スポーツシーンや野生動物、モータースポーツなどに適したカメラだとオリンパスもアピールしていたのにも関わらず、肝心の望遠レンズのラインナップが乏しい状況となっています。折角E-M1Xを購入しても望遠レンズが少ないのであれば、宝の持ち腐れとなってしまうような気がします。

そうであれば、小型で汎用的に使用できるE-M1 Mark IIの方が良さそうです。

一部機能がファームアップでE-M1 Mark IIにも?

E-M1Xの発表会場での質疑応答の中で、E-M1Xの新規機能のうち、画像処理エンジンがダブルで実現している機能(手持ちハイレゾショット、ダブルスロット、起動時間の高速化、インテリジェント被写体AFなど)以外はファームアップで実装される、という回答があったようです。

正式発表はまだですが、E-M1 Mark IIも機能的にアップグレードされる可能性がありそうですね。

高すぎる価格

最後は価格ですよね。センサー性能や連射性能がグレードアップしていればまだ納得は出来たのでしょうが、それもないスペックで、E-M1 Mark IIの約2倍の価格は少し割高に感じてしまいます。

E-M1Xを買うのであれば、E-M1 Mark IIに加えてバッテリーグリップとレンズを数本購入した方が幸せになれる気がします。

 

さらに、E-M1 Mark IIはキャッシュバックキャンペーン実施中でお得になっています。

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オリンパス E-M1Xまとめ

オリンパスから発表されたE-M1XをE-M1 Mark IIと比較してみたところ、E-M1 Mark IIの方が良さそうという観点で記事を書いてみました。

何だかんだ理由を書いてみましたが、最大の理由はやはり価格だと思います。E-M1 Mark II+バッテリーグリップくらいの値段だったら、そこまで文句は言わなかったと思います。

改めて、E-M1 Mark IIが欲しくなってきてしまいました。

皆さんも自分に必要な機能を見定めて、最適なカメラを購入してください。

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