念願の三脚Gitzoのトラベラー三脚『GT1545T』を購入しました。色々と検討した結果、この三脚になったのですが、今回は選択した理由や感想をレビューしてみたいと思います。
このブログでもずっと三脚が欲しいという記事を書いていましたが、結局Gitzoのトラベラー三脚GT1545Tを購入しました。
今回は、なぜGT1545Tを選んだのか、Gitzoのトラベラー三脚との比較などを含めてレビューをしてみたいと思います。
以前書いた、旅行に持っていくならという観点で(もとい僕が欲しいと思っている)オススメの三脚を列挙した記事はこちらです。合わせてご覧ください。
まずは、GT1545Tのスペックや他のGitzoトラベラー三脚との比較から行きます。
Gitzo トラベラー三脚
Gitzoの三脚は大きく分けると3種類あります。
GT〇〇〇〇T:トラベラー(可搬性重視)
GT〇〇〇〇:マウンテニア(汎用性重視)
GT〇〇〇〇S/LS/GS:システマティック(剛性と拡張性重視)
僕が購入したのは、トラベラー三脚1式4段のGT1545Tです。
Gitzo GT1545T
付属品
- 三脚袋
- ストラップ
- センターポールアダプター
- トルクスレンチ(脚を固定するネジを調整)
- マニュアル
他のGitzoトラベラー三脚との比較
GT0545T | GT1545T | GT1555T | GT2545T | |
段数 | 4 段 | 4段 | 5段 | 4段 |
---|---|---|---|---|
積載重量(耐荷重) | 10 kg | 10 kg | 10 kg | 12 kg |
全高 | 200~1225 mm | 220~1530 mm | 200~1380 mm | 220~1545 mm |
縮長 | 366 mm | 425 mm | 355 mm | 445 mm |
パイプ径 | 21.7 mm | 25.3 mm | 25.3 mm | 29 mm |
本体重量 | 900 g | 1060 g | 1030 g | 1340 g |
型番の数字の1桁目がパイプ径の種類を表しており、数字の3桁目が段数を表しています。
パイプ径が太くなるほど、積載重量(耐加重)が増しますが、その分重量も増加します。また、段数が多いほうが縮長が短くなる傾向にあります。
価格情報
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パイプ径が太くなるほど大きくなっていくので、それに伴って値段も上昇していっていますね。
GT1545Tを選んだ理由
選んだ基準
普段カメラバックとして使用しているピークデザインのエブリデイバックパック20Lで持ち運ぶことを考えて、次のような基準で三脚を選択しました。
- バックパックの中に納まること
- バックパックのサイドポケットに納まること
- 可能であればアイレベルに届くこと
- 1~3の条件を満たす中で可能な限り安定性が高いこと
バックパックの中に納まるか
雲台を外せば、ピークデザインのエブリデイバックパック20Lに納まる三脚が良いと思っていました。折角良いカメラと良い三脚が手元にあるのであれば、日常的に持ち出して写真を撮りたいところです。会社帰りとかね。
僕は都内在住での普通のサラリーマンなので、朝はラッシュの電車通勤です。バックパックのサイドポケットに三脚を入れて、ラッシュの電車に乗ろうものなら他の人の邪魔になってしまいます。
したがって、バックパックの中にも納まる三脚である必要があります。
雲台付きでバックパックに納まればなお良いですが、雲台を外して納まれば合格点としました。
おおよそですが、折りたたんだ時の縮長が450mm以下であれば、バックパックに納まりそうです。
GT0545TとGT1555Tは合格、GT1545Tは小型の雲台であれば問題なし、GT2545Tは雲台を外せばバックパックに入れられそうです。
僕は雲台も可搬性を重視して比較的小型の雲台を使用するつもりですので、GT1545Tも十分合格ですね。
ちなみに、トラベラーではないマウンテニアシリーズでは、縮長が一番短いモデルのGT0542ですら、480mmなので、この時点でマウンテニアシリーズは選択肢から外れました。
バックパックのサイドポケットに納まるか
平日は、三脚をバックパックの中に入れて撮影したいときに使うことを想定していますが、休日などレンズを複数本持ち出すときやバックパックに他の物を入れるときは、三脚をバックパックのサイドポケット入れることになります。
エブリデイバックパックのサイドポケットはゴムで拡張するので、ある程度の太さの三脚は入れられますがそれでも限度はあります。
実際に挿してみたところ、GT0545T、GT1545T、GT1555Tはサイドポケットに納まりますが、GT2545Tは3本の脚のうち1本をサイドポケットから出さないといけません。カーボン三脚ということもあり、脚をポケット外に出すことは避けたいので、GT2545Tはマイナスポイントとなります。
アイレベルに届くか
障害物を越えて撮影する時など全長は高いほど良いとは思いますが、基準は決めなければ選択出来ません。したがって必須事項ではありませんが、今回はファインダーがアイレベルに届くかを基準としました。
僕は日本人の平均的身長なので、α7シリーズを想定すれば、脚の全長が1420mm程度でアイレベルに届きます。
GT1545TとGT2545Tは合格、GT1555Tは少し屈めば届く、GT0545Tは短い、ということになります。
安定性は
脚のパイプ径、段数、耐荷重から考えることができます。パイプ径が太いほど、段数が少ないほど安定感は高いはずです。安定性が高いモデルから順に次のような感じだと思います。
GT2545T > GT1545T > GT1555T、GT0545T
トータルバランスで優れているのは
GT0545T | GT1545T | GT1555T | GT2545T | |
バック内に納まるか | 3 | 3 | 3 | 1 |
サイドに納まるか | 3 | 3 | 3 | 2 |
アイレベルに届くか | 1 | 3 | 2 | 3 |
安定性 | 1 | 2 | 1 | 3 |
総合点 | 8 | 11 | 9 | 9 |
以上の条件を考慮した結果、Gitzo GT1545Tとなりました。
他にもシルイ、Leofoto、マンフロット、ベルボン、スリック、Really Right Stuff等も検討しましたが、やはりGT1545Tがベストバランスだという結果に変わりはありませんでした。
Gitzoありきで選択したわけではありませんが、一般的に言われている最終的にはGitzoになるというのは本当だったのですね。
一脚をGM2562Tを使用しているので、はからずとも一脚・三脚ともにGitzoになってしまいました。
なぜReally Right Stuff TQC-14を選ばなかったのか
冒頭にもリンクを載せましたが、欲しいトラベラー三脚を書いた記事で一番オススメしていたのはReally Right Stuff TQC-14/TVC-14でした。
オススメしていたのに、なぜそれを買わなかったんだというツッコミがあるかもしれませんので補足です。
基本仕様(TQC-14) | |||
---|---|---|---|
段数 | 4 段 | 積載重量(耐荷重) | 11.3 kg |
素材 | カーボンファイバー | 脚ロック方式 | ツイストロック |
サイズ・重量 | |||
全高 | 84~1210 mm(QCで1490mm) | 縮長 | 437 mm |
パイプ径 | 29mm(推定) | 本体重量 | 1190 g |
パイプ径がやはりネックでした。Really Right Stuffの三脚の内、一番小型の三脚がこのTQC-14/TVC-14ですが、それでもパイプ径が29mmあり、Gitzoの2型に相当します。Gitzoの場合は2型の下に、1型(パイプ径25.3mm)と0型(21.7mm)があるので選択肢が多いこともGitzoの特徴です。
というわけで、Really Right Stuffは選択肢から外れてしまいました。もしパイプ径29mmが許容されたとしたら、Gitzo GT2545Tではなく、Really Right Stuff TQC-14を選択したかもしれません。それくらいReally Right Stuffは好きなメーカーです。
Really Right StuffからTQC-14/TVC-14より細いパイプの三脚を出ても、それなりにヒットしそうだと思うのですがなぜ出さないのでしょうか、と改めて思いました。
実寸してみた
僕が購入したGitzo GT1545Tをメジャーとノギスを用いて、実測してみました。したがって、カタログスペックから増減している値があるかもしれませんが、そのあたりは工業製品なので多少の製品のバラツキは仕方のないことだと思っています。通常使用する分には全く問題のない範囲です。
全長
全長を稼ぎたいときはセンターポールを伸ばして、特に高さが必要ないときはセンターポールを下げて使用します。
センターポールを伸ばした場合 | センターポールを下げた場合 |
1538 mm | 1304 mm |
各脚
パイプ長は各ロックナットの中央から中央で計測しています。
パイプ長 | パイプ径 | |
脚1段目 | 337 mm | 25.3 mm |
脚2段目 | 313 mm | 21.7 mm |
脚3段目 | 337 mm | 18.3 mm |
脚4段目 | 356 mm | 14.8 mm |
センターパイプ | 260 mm | 24.0 mm |
実際に計ってみて、脚の2段目が一番短いのが発見でした。パイプ径は一段細くなるにしたがい約3.5mmずつ細くなっているようですね。
GM2562Tとの比較
GT1545T | GM2562T | |
全長 | 1538 mm | 1430 mm |
雲台の台座 | 35.0 mm | 41.8 mm |
全長はGT1545Tの方が長いですが、台座はGM2562Tの方がかなり太いのは意外でした。
使用してみた感想
脚を伸ばした時の音が良い
ロックナットを緩めて各脚を伸ばしきると、『カッ』という歯切れの良い音がします。安い三脚やだとスカスカの安っぽい音がしますが、GT1545Tは中身の詰まっていそうな音がします。空気の密閉度合いなどにもよるのでしょうか。聞いていて心地の良い音です。音だけで高そうな三脚な気がします笑
脚を伸ばし切っても脚が外れない・ガタつかない
これまた安い三脚だと、脚を伸ばしきると脚が外れてしまうことがあるそうです。三脚のメンテナンス時に、脚を外すため、外れること自体は問題ではありませんが、簡単に外れてしまっては撮影現場で慌ててしまいます。元に戻せなくて三脚が使えなかったなんてことにもなりかねません。その点、GT1545Tは脚が外れる気配はいっさいなく、安心して使用できます。
これまた、安い三脚だと脚がガタついたりして、ナットを力いっぱい締めないとグラグラしてしまう三脚もあります。ナットの締めすぎは三脚にもダメージを与えるため、避けたいところです。GT1545Tはロックナットを力いっぱい締めなくてもしっかりと固定されガタつくことはありません。
安定性が高い
先日、中秋の名月をGT1545Tを使用して撮影してみました。
FE 100-400mm F4.5-F5.6 GM OSSをGT1545Tにセッティングして、30枚ほど撮影しましたが、ブレている写真は皆無でした。
FE 100-400mm F4.5-F5.6 GM OSSは結構重量級の望遠レンズですが、GT1545Tの安定性は全く問題なしですね。
特殊塗装が傷に強そう
Gitzoの三脚の金属部分に施されている特殊加工をノアール・デコールと言います。表面加工により素材の強度を上げているとともに、外部からの傷にも強くなっています。折角三脚を買ったのですから、どんどん使いたいところです。バックパックのサイドポケットに入れていると、意外と壁とかにブツけたりします。壁にぶつけたくらいで三脚が使用できないくなるわけではありませんが、傷だらけでみっともない見た目よりは傷が目立たない方が好ましいと思います。
やっぱりカッコいい
Really Right Stuffはシンプルなデザインで、ザ・機能美という印象ですが、Gitzoはデザインにも配慮されており、三脚単体の美しさを感じます。さすがイタリア製(でも創業はおフランス)。脚のカーボン繊維の模様も他のメーカーより美しいと感じます。市松模様っぽい感じオシャレです。三脚を被写体にした写真でも意外と絵になるかもしれませんね。
雲台をどうしよう問題
Gitzoの一脚GM2562Tで使用していたReally Right Stuffの自由雲台BH-25LRを考えていましたが、畳んだ時になんだか納まりが悪いです。GT1545Tを購入する前に分かってましたが、雲台は要検討ですね。
GT1545Tとセット販売されているGitzoの雲台GH1382TQDでも悪くはありませんが、どうせでしたらメーカー問わずで検討したいと思います。
Really Right StuffのBH-30PROとかきれいに収まらないでしょうか?
不織布製の三脚袋
GT1545Tには、不織布製の三脚を入れる袋が付属します。GM2562Tの時も同様の不織布製の袋だったので、またかという感じです。不織布なんて新品購入時の緩衝材の一種くらいの価値しかありません。軽くて最低限の機能は果たしていますが、10万円近くもする三脚のケースなのですから、もう少しシッカリしたものを付けてほしいと思いました。
メーカー純正の三脚ケースが発売されていますが、ケースにこの値段はちょっと躊躇してしまいます。
Gitzo GT1545Tまとめ
今回は、僕が購入したGitzoのトラベラー三脚GT1545Tについて、選んだ理由や使用感などをレビューしてみました。
持ち運びできて安定性もある三脚というわがままな条件で、GT1545Tを選択しましたが大変満足しています。
みなさんがGitzoの三脚は良いぞとオススメしている理由が分かりました。
GT1545Tを購入する前は、手持ちで長時間露光撮影は不可能ですし、既に使用しているReally Right Stuffのミニ三脚TFA-01 Ultra Podでは撮影条件に限度がありました。
GT1545Tを手に入れたことで、撮影の幅が広がってくれるはずですし、今まで撮れなかった場面でも写真を撮ろうという気にさせてくれます。
少々お値段は張りますが、お値段以上に満足できる三脚です。おススメです!
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