ソニー α7 IIIやα7R IIIのISO AUTO低速限界設定を理解すれば手ブレを抑えてキレイに撮影できる

ソニーのISO AUTO低速限界ボディ

僕がソニー α7 IIIやα7R IIIで気に入っている機能のひとつは『ISO AUTO低速限界』設定です。

あまり気にされたことが無い方も多いかもしれませんが、他メーカ―の同機能と比べて優秀な機能と言えます。

この機能の仕組みを理解すれば、ブレを抑えつつISO感度も抑えて撮影することが可能となります。

 

手ブレを抑えて、なおかつISO感度も上げたくない

夜間はISO感度が上がる

手ブレはしたくないけど、ノイズが多い写真も嫌なのでISO感度もなるべく低く撮影したい、と皆さんの誰もが思っていることでしょう。

昼間など光がたくさん入ってくる状況ではISO感度は一番低いISO 100で撮影できますが、夜になってシャッタースピードが下がってくるとISO感度を上げなければ手ブレしやすくなってしまいます。

手ブレするくらいならISO感度を上げて撮影しようということになりますが、極力ISO感度も抑えたいので、手ブレしない範囲のシャッタースピードに留めておきたい、と思う欲張りな方が多いと思います。

それらの挙動全てをカメラが自動で行ってくれるのが、今回紹介するソニー α7 IIIやα7R IIIのISO AUTO低速限界設定です。

しかもソニーのISO AUTO低速限界設定は他社のカメラと比べても優秀なんですよ。

 

ISO AUTO低速限界とは

ISO AUTO低速限界

まずはα7 IIIやα7R IIIの取扱説明書を見てみましょう。

撮影モードがP(プログラムオート)またはA(絞り優先)で[ISO AUTO]を選択したときに、ISO感度が変わり始めるシャッタースピードを設定できます。
この機能は、動いている被写体を撮影するときに効果的です。手ブレを抑えながら、被写体ブレも軽減することができます。

取扱説明書にも記載されているように、P(プログラムオート)モードとA(絞り優先)モードでISO AUTO低速限界設定が機能します。

多くの方がプログラムオートあるいは絞り優先モードのどちらかで撮影されているのではないでしょうか。

僕も基本絞り優先モードで撮影しています。

ISO感度が変わり始めるシャッタースピードとは

ISO AUTO低速限界では、その時の焦点距離の逆数を越えない最大のシャッタースピードが『ISO感度が変わり始めるシャッタースピード』となります。

例えば、

焦点距離が50mmの場合は逆数が1/50なので、1/50がISO感度が変わり始めるシャッタースピードです。

焦点距離が24mmの場合は逆数が1/24ですが、1/24というシャッタースピード設定はないので、1/30がISO感度が変わり始めるシャッタースピードとなります。

焦点距離の逆数のシャッタースピードにすると手ブレしない

先ほど、焦点距離の逆数のシャッタースピードがISO感度が変わり始めるシャッタースピードということでしたが、『焦点距離の逆数のシャッタースピード』は手ブレしない範囲で一番遅いシャッタースピードと言われています。

裏を返せば、そのシャッタースピードより遅いシャッタースピードに設定すると、手ブレしてしまうということです。

なぜ焦点距離の逆数などという面倒な数値なのか

カメラ撮影される方ならお分かりだともいますが、手ブレ補正無しで望遠レンズの撮影はかなり難しいですよね。

そのことから分かるように、広角の焦点域では手ブレしにくく、望遠の焦点域では手ブレしやすくなっています

つまり、手ブレしないシャッタースピードは一律にいくつ、ということではなく、焦点距離による、ということになります。焦点距離の逆数のシャッタースピードだと手振れしない、というのは先人の経験則からそのようなになっているのですね。

注意しなければいけないのが、ボディやレンズの手ブレ補正機能は無い前提の話なので、手ブレ補正機能があるボディやレンズだとさらに低速のシャッタースピードでも手ブレを抑えることが出来ます。

ズームレンズで効果的

単焦点レンズであれば焦点距離は固定なので、シャッタースピードはその焦点距離の逆数に固定しておけば良いですが、ズームレンズは焦点距離が変わるためそうは簡単にいきませんよね。

焦点距離の逆数というシャッタースピードは、焦点距離によって可変となるため、焦点距離が変化するズームレンズ使用時にこそ威力を発揮するのです。

 

α7 IIIやα7R IIIのISO AUTO低速限界が優秀な理由

他メーカーのカメラにも同じような機能がありますが、ソニーのISO AUTO低速限界設定が特に優秀だと僕は思っています。

その1 焦点距離の逆数までシャッタースピードが下がる

通常であれば24mmの焦点距離の場合には、1/30まで下がると先ほど説明しましたが、一方で、1/60よりシャッタースピードが下がらないメーカーが多いのです。例えば、パナソニックのG9 PROやオリンパスのE-M1 Mark2などです。

両機種は、デジカメ最高峰の手ぶれ補正機能を有していると言われており、『シャッタースピード1秒は手持ち撮影余裕』、『4秒でも成功した』というクチコミを見かけるくらい強力な手ブレ補正機能です。

1秒でも手持ち撮影できるかもしれないのに、1/60より下にシャッタースピードが下がらないとするとISO感度を6段分上げる必要が有ります。

確かに、S(シャッタースピード優先)モードに変更すれば、シャッタースピードを下げることは出来ますが、それはそれで面倒ですよね。

ソニー α7 IIIやα7R IIIであれば、1/60という壁は無いので、その時の焦点距離に応じてシャッタースピードは自動で下がっていってくれます。もし、指定した値以上シャッタースピードを下げたくないという場合はシャッタースピードの下限設定をすることも可能です。

シャッタースピード下限1/60

下限設定を1/60に設定すれば、G9 PROやE-M1 Mark2と同じような使い方も可能ですね。

その2 さらに高速、さらに低速設定が可能

ISO感度が変わり始めるシャッタースピードである焦点距離の逆数を『標準』として1段分高速、あるいは1段分低速に設定できるメーカーもあります。例えば、ニコン Z6やZ7です。

焦点距離が50mmの場合は逆数が1/50なので、1段高速にすると1/100、1段低速にすると1/25となります。

動きものを撮影するときは高速側に設定して被写体ブレを抑え、風景などを撮影するときは低速側に設定してISO感度を抑える、といった使い方が可能となります。

より高速

より低速

対してソニー α7 IIIやα7R IIIは、さらに高速(2段分高速)さらに低速(2段分低速)に設定できます。

このように2段分設定できるのは僕が知る限りソニーだけです。

焦点距離が50mmの場合は逆数が1/50なので、2段高速にすると1/200、2段低速にすると1/12となります。

2段高速にすれば高速で動くものにも対応できる可能性が高まりますし、2段低速にすればさらにISO感度を抑えることが出来ます。

α7 IIIやα7R IIIにはボディ内手ぶれ補正機能があるため、レンズによらず手ブレ補正機能が動作します。2段程度のシャッタースピードでしたら手ブレ補正機能でカバーが可能です。

 

ソニー α7 IIIやα7R IIIのISO AUTO低速限界まとめ

今回は、ソニー α7 IIIやα7R IIIのISO AUTO限界設定機能について記事にしてみました。

シャッタースピードやISO感度は手動設定しても撮影は出来ますが、極力カメラにお任せしたいですよね。

しかしながら、完全お任せだと不安な方もいると思いますので、仕組みを理解できるとカメラをうまく活用できると思います。

ぜひISO AUTO低速限界設定をフル活用してみてください。

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ぽんこ

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