ソニーα7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影は解像と偽色(モアレ)に効果があるか検証してみた

ピクセルシフトマルチ撮影

ソニーα7R IIIには、ソニーαシリーズで唯一の『ピクセルシフトマルチ撮影』という機能があります。

今回は、ピクセルシフトマルチ撮影で解像感や高感度性能が向上するのか、実際に撮影して試してみたいと思います。

 

ソニーα7R IIIは、ソニーα7シリーズ中で高解像度特化のRシリーズ最新機種です。ローパスレスフィルターレスの4240万画素のフルサイズセンサーを搭載し、普通に撮影しただけでも高解像な写真を撮影することが出来ます。

さらに高解像な写真を撮影したいときに有効なのが、α7R IIIに搭載されているピクセルシフトマルチ撮影機能です。ソニーの説明によれば、解像感が高まる偽色(モアレ)が減少するということですが、実際に撮影してみて自分の眼で効果のほどを確かめてみたいと思います。

 

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ピクセルシフトマルチ撮影とは

ピクセルシフトマルチ撮影図解

ソニー iconより

通常の1枚撮影時は、センサー上の設置されたRGBのカラーフィルターにより、各画素にはRGBのうち1色分の光しか届きません。各画素は、自分の色以外の残りの2色分の色情報を周辺画素の情報から補間処理しています。これをベイヤー型センサーと呼び、多くのデジタルカメラのイメージセンサーに採用されています。ベイヤー型センサーはメリットもあるものの、色情報を補間するため、解像感が低下したり、偽色(モアレ)が発生するというデメリットも抱えています。

ピクセルシフトマルチ撮影では、手ブレ補正時でも活用されるセンサーシフト技術を応用し、イメージセンサーを1画素ずつズラしながら連続4枚の写真を撮影します。各写真の1画素にはRGBのいずれかの色情報しか保持していませんが、4枚を合わせることで全画素がRGBの色情報を持つことが出来ます。

したがって、補間処理をせずに各画素のRGBの各色が決定されるので、ベイヤー型センサーでの通常撮影のような解像感の低下偽色の発生を抑えることが出来るのです。

dpreviewでもピクセルシフトマルチ撮影の効果が確認できます。

ピクセルシフトマルチ撮影(と比べると、通常撮影(の写真はボケている?と思うくらい顕著な差があります。

偽色(モアレ)の違いを見たいので、一番偽色(モアレ)が強く出ている場所をピックアップしました。ピクセルシフトマルチ撮影(では、偽色(モアレ)が抑えられていることが確認できます。

ただし上記の写真は、通常撮影(左)はAdobe社製のCamera Rawで現像、ピクセルシフトマルチ撮影(右)では、ソニー社製のImaging Edgeで現像と、使用した現像ソフトが異なっており、そのまま比較するのはフェアではありません。(各現像ソフトで現像処理の仕方が異なるので、比較するなら同じソフトが望ましい)

ちなみに、ピクセルシフトマルチ撮影に対応したカメラは、現在ソニー α7R IIIのみとなっています。

他社の同様の機能比較

リコー リアル・レゾリューション・システム

リコーより

リアル・レゾリューション・システムは、ソニーのピクセルシフトマルチ撮影と同様に、イメージセンサーを微小駆動しながら4枚を連続撮影することで、1画素ごとにR・G・Bのすべての色情報と輝度情報を得て、超高精細画像を生成できます。

リアル・レゾリューション・システムにはソニーのピクセルシフトマルチ撮影にはない優れた機能もあります。

  • カメラボディ内で一枚のRAWファイルに合成が可能
  • 連続撮影中に動いた領域を検出し、その影響を低減するよう合成処理を行う『動体補正モード』
  • 連続撮影した4枚の画像を解析し、カメラが揺れを検知。高精細画像を生成する『手ぶれ補正モード』

動体補正モードや手ぶれ補正モードでは合成にかなり時間が掛かるようですが、ソニーにはない大きなメリットだと思います。

最新のリアル・レゾリューション・システムIIが搭載されているカメラは、PENTAX K-1 MARK2です。

パナソニック ハイレゾモード

パナソニックより

ハイレゾモードは、センサーをシフトさせながら計8回の連続自動撮影を行い、カメラ内で自動合成処理を行うことにより、通常撮影時の約2033万画素に比べて4倍の画素数を持つ約8000万画素相当の高解像画像を生成できます。センサーを0.5ピクセルずつ動かして撮影することで、通常撮影時の各ピクセルとピクセルの間の画素までが画素を生成しているわけです。

約8000万画素の画像が生成されるので、レンズが8000万画素に耐えるだけの解像性能を有している必要があります。また、画素数が多くなったとは言え、ベイヤー型センサー方式で画素補間を行うことに変わりはないため、偽色(モアレ)発生の可能性は消えていません。

ソニーやリコーの技術とは根本的に異なりますが、ハイレゾモードはこれだけの高画素の画像が生成できるので、とても大きな印刷物などに使用するのであれば、かなりメリットはあります。

最新のハイレゾモードが搭載されているカメラは、LUMIX DC-G9 PROです。

オリンパス ハイレゾショット

オリンパスより

0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら、8回撮影した画像をもとに高解像写真(約8000万画素RAWファイルまたは約5000万画素JPEGファイル)を生成します。

パナソニックと技術的には同じですね。

最新のハイレゾショットが搭載されているカメラは、OM-D E-M1 Mark 2です。

 

ピクセルシフトマルチ撮影の撮影方法

カメラ側の設定

メニュー画面

α7R IIIのメニュー画面からピクセルシフトマルチ撮影を選択します。撮影間隔が0.5秒から30秒まで選択出来るので、選択して決定します。ソニーの推奨は0.5秒なので、特に意図がなければ0.5秒で良いと思います。(撮影間隔を短くした方が被写体ブレを最小限に抑えることが出来るため)

あとは、通常通り撮影するだけです。カメラも一切動いてはいけないため、セルフタイマー撮影で撮ると良いかもしれません。

Imaging Edgeを使用して合成する

ピクセルシフトマルチ撮影で保存されたファイルは、Lightroomなどの現像ソフトでは処理できません。ソニーから出ているImaging Edge iconを使用します。

Imaging Edge Viewでファイルを開くと、ピクセルシフトマルチ撮影で撮られたファイルには、それぞれ ”01/04” ”02/04” ”03/04” ”04/04”と表示されているのが分かります。

いずれかのファイルを選択して、編集メニューの”ピクセルシフトマルチ撮影 画像を合成して調整する” を選びます。

Imaging View Editが立ち上がり、PSMS(Pixel Shift Multi Shooting)というファイルが合成されます。

あとは、現像するだけなのですが、通常と異なるのは”ピクセルシフトマルチ撮影補正”という項目が追加されています。写真を拡大してみて、合成処理がうまく行っていないときは、”エッジ周辺のノイズ補正”の値を調整してみてください。

 

ピクセルシフトマルチ撮影実写比較

ピクセルシフトマルチ撮影時は、三脚固定、撮影間隔0.5秒で撮影。

通常撮影、ピクセルシフトマルチ撮影ともに、ソニー社製Imaging Edgeにて、エッジ周辺のノイズ補正=0.5で現像して、赤枠内をピクセル等倍にて切り出しています。

解像性能検証

今回もぽんこさんにご協力いただき、ピクセルシフトマルチ撮影の効果を検証してみました。

FE 24-105mm F4 G OSS

ピクセル等倍にすると、流石のFE 24-105mm F4 G OSSの通常撮影(であってももう少し解像して欲しいかなと思います。ブレているわけではありませんが、少しモヤっとしていますね。

ピクセルシフトマルチ撮影(にすると、霧が晴れたように解像するようになりました。まるで別のレンズのようですね。

FE 55mm F1.8 ZA

続いて、解像性能で評判のFE 55mm F1.8 ZAです。

FE 55mm F1.8 G OSSよりは、解像していますが、通常撮影(では、やはり物足りない感じがしますね。

ピクセルシフトマルチ撮影(にすると、ビックリなくらい超解像しています。これは凄いですね。

解像している順に並べると、次のような結果になりました。

  1. FE 55mm F1.8 ZAのピクセルシフトマルチ撮影
  2. FE 24-105mm F4 G OSSのピクセルシフトマルチ撮影
  3. FE 55mm F1.8 ZAの通常撮影
  4. FE 24-105mm F4 G OSSの通常撮影

ピクセルシフトマルチ撮影は、ズームレンズと単焦点の両方に効果があることが分かりました。

モアレ検証

後日追記予定

ただし、モアレを故意に出すのは、難しいのでやり方を検討中。

遊んでみた

エッジ周辺のノイズ補正=0.0

エッジ周辺のノイズ補正=0.5

エッジ周辺のノイズ補正=1.0

撮影間隔を10秒として、各撮影の間にカメラを少しズラして撮影してみました。

多重露光のように重なって見えますね。また、写真下半分に不思議な模様が見て取れます。

Imaging Edgeのエッジ周辺のノイズ補正パラメータを0.0, 0.5, 1.0と変化させると、下半分の模様が滑らかになっているように思います。

今後もピクセルシフトマルチ撮影を色々と試してみたいですね。

 

ソニー α7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影まとめ

今回は、ソニーα7R IIIに搭載されているピクセルシフトマルチ撮影について、実際に撮影してみて効果を確認してみました。結果はというと、想像以上に解像感が向上していると思いました。Imaging Edgeでしか合成できませんが、それを差し引いてもこの結果は凄いの一言です。

風景写真など三脚を立てて撮影する際に、ぜひ使用してみたいと思いました。

この記事を読んで、みなさんもα7R IIIのピクセルシフトマルチ撮影に興味を持っていただけたら嬉しいです。

 

 

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ぽんこ

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