Sonyalpharumorsに、ソニー Eマウントに関する興味深い記事が掲載されていたので、一部引用しながらソニーが発表した内容を取り上げてみたいと思います。
ソニー Eマウントに関する3つの神話
- EマウントはAPS-C用に作られたが、フルサイズ用には作られていない?
- EマウントはF1.0のような大口径レンズには小さすぎる?
- Eマウントは小さいため、良いレンズをデザインするには難しい?
ソニー αシリーズをお使いの皆様はもちろんのこと、上記のような他社製のカメラを使用の方も興味のある事柄について、ソニーが発表を行ったようです。
神話1:EマウントはAPS-C用に作られたが、フルサイズ用には作られていない?
当時のソニー勝本徹事業本部長が2010年9月にEマウントはフルサイズにも使用できるという発言を行った3年後、世界初のフルサイズミラーレスカメラであるα7(発売日:2013年11月15日)が実際に発売となりました。
つまり、ライカCEOの過去の発言は誤りであり、Eマウントは設計当初からフルサイズを見越して設計されていた、ということをソニー自身が主張したかったのだと思われます。
神話2と3:Eマウントは小さすぎてf/1.0レンズを使用できず、Eマウント用の大口径レンズを設計するのは困難?
最大のF値はマウント径とフランジバック長で決まり、センサーへの入射角が大きいほど最大のF値が大きくなります。
同じマウント径であっても、ミラーレスカメラのようなフランジバックが短いマウントであれば、最大F値が大きなレンズの設計が可能です。
一眼レフ用マウント | 最大F値 |
---|---|
ニコン Fマウント | 1.17 |
ソニー Aマウント | 1.02 |
キヤノン EFマウント | 0.96 |
ソニーの発表の通り、フランジバックが長い一眼レフ用マウントは、いずれも設計可能な最大F値が大きくなっています。キヤノン EFマウントは唯一f/1.0以下のレンズが設計可能ですね。
一眼ミラーレス用マウント | 最大F値 |
---|---|
ライカ Lマウント | 0.63 |
ソニー Eマウント | 0.63 |
キヤノン RFマウント | 0.62 |
ニコン Zマウント | 0.58 |
一方で、一眼ミラーレスカメラは、フランジバックが短くなっているので、いずれも設計可能な最大F値が大きくなっています。ニコン Zマウントが0.58と少し良いものの、理論上は各マウント間でほとんど差がない、といっても過言ではないくらいですね。
ソニー純正レンズではf/1.4までしか発売されていないので、f/1.0などの大口径レンズの設計は難しいと思っている方がいるかもしれませんが、実際はEマウントであってもf/0.63まで設計は可能なようです。ニコン Zマウントですらf/0.58が最大のようなので、Eマウントとその他のフルサイズミラーレス用マウントの差はほとんどない、というのが実情のようですね。
ソニー Eマウントはf/1.0以下(理論上はf/0.63まで)のレンズ設計が可能 まとめ
ソニー Eマウントに関して、ソニーが発表した事柄について記事にしてみました。
Eマウントはf/0.63まで設計可能という具体的な数字が提示されると説得力がありますね。
ソニーからこのような発表があったこと自体が異例だとは思いますが、今回の内容を見て安心されたソニーユーザーの方も多いのではないでしょうか。
是非ともデジカメWatchさんとタッグを組んで、日本でも同様の発表をして欲しいところですね。
デジカメWatch (2010/9/29)