ソニー Eマウントはf/1.0以下(理論上はf/0.63まで)のレンズ設計が可能だった

のでF値の大きなレンズの設計が可能ボディ

Sonyalpharumorsに、ソニー Eマウントに関する興味深い記事が掲載されていたので、一部引用しながらソニーが発表した内容を取り上げてみたいと思います。

 

ソニー Eマウントに関する3つの神話

ソニー Eマウントに関する3つの神話

ソニー Eマウントに関する3つの神話

  1. EマウントはAPS-C用に作られたが、フルサイズ用には作られていない?
  2. EマウントはF1.0のような大口径レンズには小さすぎる?
  3. Eマウントは小さいため、良いレンズをデザインするには難しい?

ソニー αシリーズをお使いの皆様はもちろんのこと、上記のような他社製のカメラを使用の方も興味のある事柄について、ソニーが発表を行ったようです。

 

ソニー α6400のプレゼンテーション中、ソニーはインターネット上で噂されている否定的なEマウント神話について公式に言及しました。
下記の動画では8:19頃からソニーによる発表の様子が流れます。
Sony A6400 Detailed Review for Video Shooters!

神話1:EマウントはAPS-C用に作られたが、フルサイズ用には作られていない?

ライカCEOの発言

ライカCEOの発言

2018年9月頃、ライカのCEOは、「EマウントはEマウント用に設計されているため、そのためソニーはフルサイズを機能させるのに課題がある」と発言しました。
しかしながら、2010年に(最初のフルサイズEマウントカメラが発売されるずっと前に)ソニーが、Eマウントはフルサイズのために作られている、と述べています。
ソニー勝本徹事業本部長「NEX(Eマウント)はフルサイズセンサーを搭載することは可能」

ソニー勝本徹事業本部長「NEX(Eマウント)はフルサイズセンサーを搭載することは可能」

またフルサイズセンサーをαでだけ使うと決めているわけでもありません。(実際に商品化するかどうかは別として、技術的には)NEXにもフルサイズセンサーを搭載することは可能ですから。(ソニー勝本徹事業本部長談)
デジカメWatch (2010/9/29)

当時のソニー勝本徹事業本部長が2010年9月にEマウントはフルサイズにも使用できるという発言を行った3年後、世界初のフルサイズミラーレスカメラであるα7(発売日:2013年11月15日)が実際に発売となりました。

つまり、ライカCEOの過去の発言は誤りであり、Eマウントは設計当初からフルサイズを見越して設計されていた、ということをソニー自身が主張したかったのだと思われます。

 

神話2と3:Eマウントは小さすぎてf/1.0レンズを使用できず、Eマウント用の大口径レンズを設計するのは困難?

最大F値はマウント径とフランジバックで決まる

最大F値はマウント径とフランジバックで決まる

フランジバックの短いミラーレスカメラでは最大F値が大きく設計可能

フランジバックの短いミラーレスカメラでは最大F値が大きく設計可能

最大のF値はマウント径とフランジバック長で決まり、センサーへの入射角が大きいほど最大のF値が大きくなります。

同じマウント径であっても、ミラーレスカメラのようなフランジバックが短いマウントであれば、最大F値が大きなレンズの設計が可能です。

ソニー Eマウントの理論的な最大F値はf/0.63

ソニー Eマウントの理論的な最大F値はf/0.63

一眼レフ用マウント最大F値
ニコン Fマウント1.17
ソニー Aマウント1.02
キヤノン EFマウント0.96

ソニーの発表の通り、フランジバックが長い一眼レフ用マウントは、いずれも設計可能な最大F値が大きくなっています。キヤノン EFマウントは唯一f/1.0以下のレンズが設計可能ですね。

一眼ミラーレス用マウント最大F値
ライカ Lマウント0.63
ソニー Eマウント0.63
キヤノン RFマウント0.62
ニコン Zマウント0.58

一方で、一眼ミラーレスカメラは、フランジバックが短くなっているので、いずれも設計可能な最大F値が大きくなっています。ニコン Zマウントが0.58と少し良いものの、理論上は各マウント間でほとんど差がない、といっても過言ではないくらいですね。

 

ソニーが作ることができる理論的な大口径レンズは、ライカLマウントと同等のf/0.63です。
キヤノンRFはf/0.62を作ることができます。そして、ニコンZはf/0.58を設計することができます。しかし、レンズが信じられないほど大きく、ピントが合いにくく、スーパーカーのように高価になるので、私達はレンズのF値をそれらの値(f/0.63などの値)に決してすることはないということを心に留めておいてください。
ニコン Z58mm f/0.95 S Noctとの比較

ニコン Z58mm f/0.95 S Noctとの比較

ニコン Z 58mm f/0.95はかさばり、高価で(6,000ドルの費用がかかると噂されている)、マニュアルフォーカスでしか機能しません。
ニコン経営陣は、彼らがその大口径マウントをニコンZを発表したときに、すべてのあいまいさを作り出しています。真実は多くのソニーのレンズが市場で最高であると評価されているということです。これまで見てきたNikon Zのレンズは確かに優れていますが、「マーケティングの誇大宣伝」には過ぎず、ソニーが提供しているものよりも優れているとは言えません。

 

ソニー純正レンズではf/1.4までしか発売されていないので、f/1.0などの大口径レンズの設計は難しいと思っている方がいるかもしれませんが、実際はEマウントであってもf/0.63まで設計は可能なようです。ニコン Zマウントですらf/0.58が最大のようなので、Eマウントとその他のフルサイズミラーレス用マウントの差はほとんどない、というのが実情のようですね。

 

ソニー Eマウントはf/1.0以下(理論上はf/0.63まで)のレンズ設計が可能 まとめ

ソニー Eマウントに関して、ソニーが発表した事柄について記事にしてみました。

Eマウントはf/0.63まで設計可能という具体的な数字が提示されると説得力がありますね。

ソニーからこのような発表があったこと自体が異例だとは思いますが、今回の内容を見て安心されたソニーユーザーの方も多いのではないでしょうか。

是非ともデジカメWatchさんとタッグを組んで、日本でも同様の発表をして欲しいところですね。

 

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