段々と夏が終わりを迎えつつある今日この頃ですが、夏の風物詩である花火大会も大詰めを迎えています。今回は、花火撮影に必須のアイテムとなるカメラ用リモコンについてソニー純正と社外品を比較しながら、どれがオススメか書いてみたいと思います。
残り少ない花火大会をキレイに撮りたい!とは、みなさん思うことですが、僕も例に漏れず、Gitzoの三脚を購入したので、花火大会に必要な物は残すところリモートコマンダー(リモコン)のみとなりました。
今回は、ソニーのα7 IIIやα7R IIIなどのαシリーズに最適なリモコンは何が良いか考えてみたいと思います。
ちなみに、以前購入したGitzoのトラベラー三脚GT1545Tはこちらでレビューしていますので、興味のある方はご覧ください。
リモートコマンダーとは
通常はシャッターボタンを押して写真を撮りますが、シャッターボタンではなく、専用のリモコンを使用することで、カメラに触れずにシャッターを切ることが可能となります。
シャッタースピードが上げられないときなどは、シャッターボタンを押すという行為自体でカメラボディが僅かに動いていまい、写真のブレに繋がってしまいます。花火撮影では、10秒や20秒という長時間シャッターを開いているので、その間カメラに触れてしまうと、写真がブレしまうのです。
そのような場合には、使用するのがリモートコマンダーです。
各社の名称
リモコンと言えば、テレビやエアコンでもお馴染みの名称ですよね。
カメラメーカー各社でも自社のカメラ用にリモコンを発売していますが、正式名称が微妙に名称が異なっています。
ソニー:リモートコマンダー
キヤノン:リモートスイッチあるいはリモートコントローラー
ニコン:リモートコントローラー
リコー:リモートスイッチあるいはリモートコントロール
富士フイルム:リモートレリーズ
オリンパス:リモートケーブルあるいはリモコン
パナソニック:シャッターリモコン
いずれのメーカーも略称はリモコンとなっています。紛らわしいですね。
リモコンの選び方
各社とも接続の方式が異なっており、自分が使用しているカメラに適合したリモコンを選択する必要が有ります。
対応しているリモコンの種類は、それほど多くないので、使用するシチュエーションを考慮すればそれほど選択には困らないはずです。
有線か無線か
リモコンをカメラと接続する方式として有線か無線かの二通りあります。
有線式
α7シリーズの場合、MULTI端子にケーブル接続します。α7シリーズ以外もMULTI端子があれば基本接続可で、MULTI端子接続可能なリモコンをRM-VPR1互換と表示されていたりします。
カメラからどれくらい離れられるかはケーブル長によります。花火撮影では、カメラから離れる必要がないので、あまり長いケーブルでなくても良いはずです。
無線式
ケーブルは使用せずに、無線でカメラと接続します。カメラ側の設定で、リモート接続をONにしておく必要が有ります。
無線の接続方式は大きく分けて、赤外線とWifi、Bluetoothの3種類あります。
赤外線
指向性を持たせていることが多いため、リモコンをカメラに向けて使用します。
基本は自分のカメラに向けてリモコンを操作するため、周りに赤外線リモコンを使用している人が他にいても支障はありません。
Wifi
指向性を持っていないことが多いため、リモコンをカメラに向ける必要はありません。
周りにWifiリモコンを使用している人がいると、電波が干渉して使用できなくなる可能性があります。
ソニーからPlayMemories Homeというスマホ対応アプリが提供されており、アプリ上からカメラを遠隔操作することが出来ます。
Bluetooth
α7シリーズと接続できるBluetoothリモコンは今のところありませんが、ソニーのデジタルビデオカメラとBluetoothで接続して操作できるリモコンがあるようです。
α7シリーズもBluetooth機能はありますが、スマホなどから位置情報を取得して撮影したExifに記録する機能に留まっているようです。
ソニー純正か社外品か
リモコンは大きく分けてソニー純正か社外品かの2種類に分けられます。
ソニー純正はやはりソニー自身で専用設計しているため、信頼感があります。
有線式は、MULTI端子という物理ケーブルで接続するため、ソニー純正と社外品どちらでも信頼性は大きく違わないかもしれません。
無線式は、カメラ側の内部ソフトウェアとの相性がありますので、可能であればソニー純正をオススメします。
バルブ撮影が可能か
花火撮影の場合、シャッターを押している間だけ露光するバルブ撮影が必須の機能となっています。ほとんどのリモコンの場合、リモコンボタンをロックすることでバルブ撮影を行うことが出来ます。
インターバル撮影が可能か
花火撮影ではほぼ使用しない機能ではありますが、予め設定した時間設定で連続撮影を行うインターバル撮影に対応しているリモコンもあります。この機能があるリモコンは値段が高めとなる傾向にあります。
ソニー純正リモコン
RM-VPR1 | RMT-VP1K | RMT-DSLR2 |
有線式(0.8m) | 無線式 | 無線式 |
リモコンのみ | リモコンとレシーバーのセット | リモコンのみ |
純正唯一の有線式 | 受信範囲が広い | ビデオ機能が充実 |
RM-VPR1
マルチ端子搭載のリモートコマンダーです。
主な特徴
- シャッターロック(バルブ撮影)、動画撮影、ズームが可能
- 付属のリモート端子用接続ケーブルを使用することで、従来のリモート端子搭載α「Aマウントカメラ」でも静止画撮影が可能
- 同梱クリップで三脚に取り付け可能
主な仕様
- ケーブル長:0.8m
- 大きさ:約 縦88.5×横32×厚さ18mm
- 質量:約 30g
RMT-VP1K
リモートコマンダーと360度対応のIRレシーバーのキットです。リモートコマンダーとIRレシーバーの組み合わせにより、IR(赤外線)受信エリアが飛躍的に拡大しています。離れた場所からのリモート操作をする際に活躍します。
主な特徴
- 静止画/動画撮影に対応
- 静止画撮影時は、ズームや半押しによるピント合わせ、レリーズ、シャッターロック(バルブ)をリモート操作可能。
- 動画撮影時は、ズームやREC(スタート/ストップ)、タイムコードリセットをリモート操作可能。
- チャンネル切り替えスイッチ搭載
- タイムコードリセット機能搭載
- 便利なクリップスタンドを付属
主な仕様
- ケーブル長:約0.35m(カメラとレシーバー間のケーブル)
- 大きさ:約 幅32×高さ122×奥行18.6mm(リモートコマンダー)、約 幅37.1×高さ27mm(レシーバー)
- 付属品:クリップスタンド
RMT-DSLR2
「録画スタート/ストップ」機能を搭載した無線式のリモートコマンダー
主な特長
- 離れた場所からカメラを操作可能
- 動画RECボタンを搭載し、動画撮影にも対応
主な仕様
- 大きさ:縦94.5×横41.5×厚さ13.5mm(最大突起物を除く)
- 質量:約27g(電池含まず)
社外品リモコン
無線式の社外品もありますが、安定性に疑問があるため、この記事では有線式のみご紹介します。
電子リモート スイッチ2 S2 | タイマーリモート スイッチ S2 | リモート90L | シャッター リモコンレリーズ | ミニ シャッター リモコンレリーズ |
エミツ | エミツ | ケンコー・トキナー | ロワジャパン | ロワジャパン |
有線式(0.5m) | 有線式 | 有線式(0.9m) | 有線式 | 有線式 |
最低限の機能 | インターバル撮影 | 最低限の機能 | インターバル撮影 | 最低限の機能 |
エミツ 電子リモートスイッチ2 S2
従来のリモートスイッチが持つ最低限の機能だけを搭載した有線式のリモコン。
主な特徴
シャッターボタンの半押し/全押し/バルブロック機能
主な仕様
- 本体 H105×W34×D23mm
- 本体のみ 30g
- ケーブル長 20~50cm(スパイラルタイプ)
タイマーリモートスイッチ S2
インターバルタイマー付きの有線式リモートスイッチです。
主な特徴
- 設定項目は遅延タイマー、露光時間、インターバル、撮影回数、アラームON/OFF
- 一般的なデジタル時計と同じように、対話式のメニューで設定
- 夜間の長時間露光撮影にも使いやすい、液晶画面用のLEDライト照明内蔵
- 電源には入手しやすい単4乾電池を使用。
主な使用
- サイズ(約) 高さ100×横幅45×厚さ22mm
- 重量(約) 72g
ケンコー・トキナー リモート90L
従来品「リモート90」よりもスイッチ部を大きくし、押しやすく改良を加えた有線式リモコン。
主な特徴
- シャッターボタン固定機構(押した状態で固定)付き
主な仕様
- 全長:約100cm(コード長 約90cm)
- リモートシャッター部サイズ:幅30.5mm×高さ22.2mm×長さ約100mm
- 重量:約50g
ロワジャパン ミニ シャッター リモコン レリーズ
主な特徴
- スライドスイッチを利用して、半押ししてオートフォーカスと全押ししてシャッター操作が可能
- スライドスイッチを利用してバルブ開放撮影が可能。
主な仕様
- 本体:7.9×2.23×1.4cm
- ケーブル長:約87cm
- 質量:29g
ロワジャパン シャッター リモコン コード レリーズ
主な特徴
- 設定時間間隔で撮影を行うインターバルタイマーの設定や、露光時間を指定した最長99時間まで露出が可能。
- 液晶LCD付き、撮影開始時間、撮影間隔、シャッター開放時間を1秒~99時間59分59秒までの間で1秒単位で設定可能。
- 撮影回数は1~399回または無限の設定可能。
- ボタンとスライドスイッチを利用して、半押しオートフォーカスと全押しシャッター、そしてバルブ開放撮影が可能です。インターバル機能撮影の際は、単4形電池2を使用します。
主な仕様
- 寸法:155x40x19mm
- 長さ:約100cm
- 重量:約90g (本体のみ)
ずばり僕が欲しいリモコンは
『ロワジャパン シャッター リモコン コード レリーズ』です。アマゾンでは、口コミも多数あり、評価も良く信用できそうです。何よりインターバル撮影機能があるのに、安いという点が素晴らしいですね。
インターバル撮影できるリモコンはソニー純正にもないため、ロワジャパンのリモコンを選ぶ価値があります。
ソニーαシリーズ対応リモコンまとめ
今回は、ソニーα7 IIIやα7R IIIなどのαシリーズに対応したリモコンを比較してみました。
花火撮影の際には必須となるリモコンですが、PlayMemories Homeというスマホアプリでも遠隔操作できるためそちらを利用している方も多いとお思いいます。
ただし、花火大会は非常に混雑しており、スマホのWifiが安定しているとは限りません。花火大会に限れば、有線リモコンが断然オススメできます。
ぜひ用途に合ったリモコンを選択して、長時間露光撮影を楽しんでください。
長時間露光撮影にはGitzoの三脚がオススメです。