14mm始まりでフィルターが装着できるズームレンズということで、大注目のNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sです。
これだけ超広角なズームレンズですので、歪曲収差や周辺減光が気になりますよね。
ニコン Z 6では自動ゆがみ補正をオフに出来ない

Z 6の自動ゆがみ補正設定
Z 6でNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを使用すると、自動ゆがみ補正がONになり、OFFにすることが出来ません。自動でONになるのは良いと思いますが、OFFに出来ないって何なんでしょうか。

Z 6のヴィネットコントロール設定
一方で、ヴィネットコントロールは設定可能です。デフォルト設定は標準なので僕はそのままにしています。
現像ソフトでも歪曲収差補正をオフに出来ない
Adobe Lightroom

Lightroomはレンズプロファイルをオフに出来ない
NIKON Z 6とNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのプロファイルがすでに提供されています。
Nikon Capture NX-D

ニコン Capture NX-Dでも自動ゆがみ補正はオフに出来ない
歪曲収差と周辺減光をチェックしてみた
LightroomとCapture NX-Dが使えないので、RAW Therapeeを使用しました。フジのデジカメを現像する時に良く候補として上がる現像ソフトです。
JPEG撮って出しは、Z 6の自動ゆがみ補正ON、ヴィネットコントロール標準の設定です。RAW現像は、RAW Therapeeのレンズプロファイルなしでそのまま書き出しています。
シーン①遠景

14mm JPEG撮って出し

14mm RAW現像

16mm JPEG撮って出し

16mm RAW現像

20mm JPEG撮って出し

20mm RAW現像

24mm JPEG撮って出し

24mm RAW現像

30mm JPEG撮って出し

30mm RAW現像
14mmのRAWを見る限り、大きな樽型の歪曲収差があります。また、四隅の周辺減光も大きそうです。ただし、これだけ大きな樽型の歪曲収差ならば、補正する際に四隅はある程度切り取られるので周辺減光も気にならなくなるように思います。
16mmのRAWでは、まだ大きめの樽型の歪曲収差が見られます。周辺減光も気になる程度に見られます。
20mmのRAWでは、若干の糸巻型の歪曲収差となっています。周辺減光もまだ確認出来ます。
24mmのRAWでは、さらに糸巻型の歪曲収差です。周辺減光もそれほど改善していないようです。
30mmのRAWでは、大きな糸巻型の歪曲収差となっています。周辺減光はまだありますが、ほとんど気にならない程度になってきました。
20mmか19mmあたりが樽型と糸巻型の境界のようですね。
シーン②近景

14mm JPEG撮って出し

14mm RAW現像

16mm JPEG撮って出し

16mm RAW現像

20mm JPEG撮って出し

20mm RAW現像

24mm JPEG撮って出し

24mm RAW現像

30mm JPEG撮って出し

30mm RAW現像
近景でもおおよそ遠景と同じような結果でした。
やはり、20mmかもう少し下あたりが樽型と糸巻型の境目のようですね。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは電子補正前提のレンズ
ここまでRAW現像したものを見てみて、NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは電子補正が前提のレンズだということが明確化しました。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはミラーレスなので、個人的には電子補正は全然アリだと思っています。光学補正のみでは無理があると思いますので、電子補正も積極的に活用して面白いレンズを生み出していって欲しいと思います。
また、どの焦点距離の歪曲収差も撮って出しJPEGでは同じように補正されているので、比較的後処理しやすいレンズなのかなと感じました。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの歪曲収差と周辺減光まとめ
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの歪曲収差と周辺減光をチェックしてみました。
14mm始まりという超広角ズームなので大きな歪曲収差や周辺減光は仕方ないのかもしれません。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは電子補正前提のレンズですが、それを補って余りある魅力があるレンズだと思います。
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