ソニー FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSをレビューしたいと思います。
ソニーEマウントのフルサイズ用望遠レンズです。ケニアでサファリゲーム時に使用するために購入したレンズです。
ソニーEマウントの望遠レンズは選択肢が限られていますので、何にするか迷わないと思う方も多いかもしれませんが、僕はかなり迷いました。
ケニアから帰ってきて思ったのは、このレンズを選択した僕の判断は正しかったということでした。
スペック
基本仕様 | |||
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対応マウント | α Eマウント系 | フォーカス | AF/MF |
レンズ構成 | 16群22枚 | 絞り羽根枚数 | 9 枚 |
焦点距離 | 100~400 mm | 最短撮影距離 | 0.98 m |
最大撮影倍率 | 0.35 倍 | 開放F値 | F4.5-5.6 |
画角 | 24~6.1 度 | 手ブレ補正機構 | ○ |
防塵 | ○ | 防滴 | ○ |
サイズ・重量 | |||
最大径x長さ | 93.9×205 mm | 重量 | 1395 g |
フィルター径 | 77 mm |
外観
100mmの時
200mmの時
400mmの時
他の多くのズームレンズと同様に、ズームすると全長が伸びるようになっています。100mmの時が最短で、400mmの時が最長となっています。
レンズ構成図を見ると、大きなレンズは前3枚のみとなっているのが分かります。かなりのレンズが後方に配置されているため、400mmにズームしてもそれほど重さは変わりなく、レンズを振りにくいという感覚はありまえん。
多種なスイッチ類
フォーカスホールドボタン3か所、フォーカスモードスイッチ、フォーカスレンジリミッター、手振れ補正スイッチ、手振れ補正モードスイッチと色々なスイッチが付いています。
フォーカスフォールドボタンは、瞳AFを割り当てたりすることがあるので、レンズにボタンがあると便利です。
手振れ補正スイッチは、ボディ側の手振れ補正機能と連動しており、レンズ側でOFFにすればボディ側も自動でOFFになります。
手振れ補正モードスイッチは、通常の手振れ補正と流し撮りの時の手振れ補正を切り替えることが出来ます。
ズームリングの硬さ調整機能
頻繁にズーミングする方は柔らかい方に設定すればいいですし、一番柔らかくするとレンズを下にしたときに自重で伸びてきてしまうため、それが嫌な方は固めにすれば良いです。
ちょうど中間あたりにすると、自重で伸びてきません。
フィルター用回転窓
C-PLフィルター等回転させるために、フードに窓が付いています。回転させたいときのみフードを開けることでフィルターにアクセスすることができるようになります。
着脱式三脚座
着脱式の三脚座が付属します。使用しないときは取ることができますので、邪魔になりません。
また、下方向以外にも固定可能です。
サファリに持って行って良かった
ƒ/8, SS 1/250, 400 mm, ISO 160
ケニアにあるマサイマラ国立保護区にサファリゲームをしに行った際に、メインで使用した望遠ズームレンズがこのFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSでした。
ƒ/5.6, SS 1/250, 400 mm, ISO 4000
かなりの場面で400mmを多用していたため、400mmまであるFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSは大活躍でした。次回行くときは必ずテコレンを持って行こうと思います。
ƒ/5.6, SS 1/250, 400 mm, ISO 20000
サファリゲームは日暮れまで行われるため、高感度撮影も多くなります。FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSであれば、ISO 20000でもバッチリ解像しています。α7 IIIの高感度耐性も素晴らしかったです。
描画性能
使用したカメラは、ソニーα7R IIIです。ホワイトバランスは晴天、クリエイティブスタイルはスタンダードです。
三脚固定にて、電子シャッター、セルフタイマー2秒にて連続三枚撮影しています。
解像性能
100 mm
センター | コーナー | |
F4.5 | ||
F5.6 | ||
F8.0 | ||
F11 | ||
F16 | ||
F22 |
センターは、開放からすでにピークに近い解像性能だと言えます。F8.0からFF11がベストですが、開放値でも十分だと思います。F22まで絞ると回折の影響で少しソフトな描写になります。
コーナーは、センターに比べると少しソフトですが、F8まで絞ると解像感が出てきます。F22まで絞るとセンターと同様に回折の影響で出てきます。
140 mm
センター | コーナー | |
F5.0 | ||
F5.6 | ||
F8.0 | ||
F11 | ||
F16 | ||
F22 |
センターとコーナーともに、開放値からピークの解像感となっています。F22まで絞ると回折の影響がありますが、開放からF16まで全く問題ない解像性能です。
200 mm
センター | コーナー | |
F5.6 | ||
F8.0 | ||
F11 | ||
F16 | ||
F22 |
センターは、開放値から高水準な解像性能で、一段絞ってF8でピークを迎えF16までピークを維持します。やはりF22では回折の影響が出てきます。
コーナーは、少しソフトですが、絞っていくと解像感が上がっていき、F16でピークを迎えます。F22の回折現象はセンターと同様です。
400 mm
センター | コーナー | |
F5.6 | ||
F8.0 | ||
F11 | ||
F16 | ||
F22 |
センターとコーナーともに、開放値からピークの解像性能を発揮しています。F22まで絞ってもそれほど回折の影響は見られません。この焦点距離の欠点は、開放値のコーナーで少し周辺減光があることとエッジが少し色付いていること(倍率色収差でしょうか?)くらいです。
望遠ズームレンズの場合、望遠端の性能があまり良くないレンズが多いですが、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSは、望遠端で最高の解像性能を有したレンズのようです。望遠ズームなので、望遠側で撮影することが多いため、この性能は素晴らしいですね。
もう一歩だと思うポイント
少し重い少し大きい
同じく4倍ズームのFE 24-105mm F4 G OSSと比較すると、約2倍の重量と大きさです。
個人的には、暗くても良い(F6.3-F8)のでもう少し軽量コンパクトだったらうれしいです。
屋外で使用することが多いレンズだと思いますので、多少暗くても問題ないと思います。
少し高い
キヤノンの同種のレンズより高めの価格設定のため、同じくらいの値段だったら、尚良かったと思います。
他のソニー製望遠ズームレンズとの比較
ソニー FE 70-200mm G OSS
描写力は評価が高いレンズです。インナーズームのためサファリに持って行っても砂ぼこりを心配しなくてよいという利点があります。ただし焦点距離が全然足りませんね。クチコミでよく言われる欠点は最小撮影距離が長すぎる(寄れない)ということとテレコンが対応していないということです。次のモデルチェンジ時には、ぜひともテレコン対応にしていただきたいところです。
ソニー FE 70-200mm GM OSS
いわゆる大三元の望遠ズームです。こちらも非常に評価が高いですね。
こちらもレンズもレビューしていますので、気になる方はチェックしてみてください。
ソニー FE 70-300mm G OSS
ズームすると伸びるタイプの望遠ズームレンズです。収納長はFE 70-200mm Gよりコンパクトになります。自重でズームが伸びるのを防ぐロックが付いているのも良い点です。
描画力としては望遠端では特に周辺画質が劣ってくるという評価をよく見ます。APS-C機で使用すれば画質が劣る周辺が切り取られる(APS-Cクロップ)ため、個人的にはAPS-C機で使用すると欠点を補えて尚且つ焦点距離も伸ばせる(擬似望遠)ため、面白い組み合わせだと思います。
ソニー FE 100-400mm GM OSSまとめ
今回は、ソニーの望遠ズームレンズFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSをレビューしてみました。
ケニアのサファリに持っていきましたが、買って良かったと今でも思うレンズです。
何十万も掛けて動物を見に行ったのですから、レンズ代をケチっていたら今頃後悔していたところでした。
他社の同種のレンズと比較しても、かなり優秀なレンズですので、自信を持ってオススメ出来るレンズです。
このレンズを持って、ぜひアフリカのサファリゲームに行ってみて下さい。きっと素晴らしい体験になると思います。