大口径マウント(キヤノンRF/EF、ニコンZ)は画質で有利?小口径マウント(ソニーE)は不利?周辺減光を比較してみた

大口径マウントと小口径マウントの周辺減光比較

大口径マウント(キヤノンRF/EF、ニコンZ)と小口径マウント(ソニーE)の周辺減光を比較してみたいと思います。

 

キヤノンやニコンからフルサイズミラーレスカメラが発表され、発売までもう少しです。

キヤノンとニコンは共に大口径マウントであるキヤノンRFマウントとニコンZマウントを採用していますね。

大口径マウントは画質面で優位、特に周辺画質に差がある、小口径マウントは周辺減光が大きいため周辺画質に難がある、とうい噂をネット上でよく見ます。

その噂は本当でしょうか?

僕自身、比較的口径が小さいソニーα7 IIIを使用しているので気になるところです。

今回は本当に小口径マウントは周辺減光が大きいのかを比較検討してみたいと思います。

 

まだ、キヤノンRFやニコンZのカメラやレンズは発売されていないので、キヤノンRFマウントと同じ口径を持つキヤノンEFマウントとソニーEマウントで比較してます。

キヤノンEFマウントがソニーEマウントより優れているのであれば、同じく大口径であるキヤノンEFやニコンZも期待できるのですが、果たしてどういう結果になると思いますか?

 

【18/12/20追記】『ショートフランジバックになっても周辺減光は改善しない』を追記しました。

こちらの記事を口コミサイトや掲示板等で張っていただいているようですが、EFマウントとEマウントを比較してもフランジバックが違うので意味はないと評価されているようです。確かにショートフランジバックにすることで、周辺減光が改善するのであれば、比較する意味はありません。

ですが、もし仮にEFマウントからフランジバックが短くなったとしても周辺減光が改善しないとしたら? その場合に限り、EFマウントとEマウントを比較する意味はあると思っています。

まだRFマウントのレンズが出揃っていないので、RFマウントとEマウントの直接の比較は得策ではない(サンプル数が少ないとレンズの出来不出来の影響が大きくなる)ため、レンズが出揃っているEFマウントとEマウントを比較していることをご留意いただき、ご覧いただければ幸いです。

 

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まずはマウント径の比較から

 

マウント名マウント系フランジバックタイプ発表時期
キヤノン RF54mm20mmミラーレス2018年09月
ニコン Z55mm16mmミラーレス2018年08月
ソニー E46mm18mmミラーレス2010年06月
キヤノン EF54mm44mm一眼レフ1987年03月
ニコン F44mm46.5mm一眼レフ1959年06月

キヤノンEFマウントとRFマウント、ニコンZマウントは大口径であり、ニコンFマウントとソニーEマウントは小口径となっています。

また、キヤノンRFマウントとニコンZマウント、ソニーEマウントはミラーレス用のマウントのため、フランジバック(センサーとレンズの距離)が短くなっているのが特徴です。

一眼レフはセンサーとレンズの間にミラーボックスがあるため、フランジバックを短く出来ません。ミラーボックスを取り去ってミラーレス化することでフランジバックが短くすることが出来ます。

したがって、小型化できることがミラーレスカメラの利点のひとつとなっています。

 

ソニーEマウントの口径が小さすぎると言われる理由とは

ソニーEマウントはAPS-C専用マウントなのか?

当初、ソニーEマウントは当時のソニーAPS-Cカメラに採用されて発売されました。そのためソニーEマウントはAPS-C用マウントでありフルサイズカメラに採用するには口径が小さすぎる、というが独り歩きしてしまいました。

しかしながら、その噂はソニーの役員によって否定されてます。

またフルサイズセンサーをαでだけ使うと決めているわけでもありません。(実際に商品化するかどうかは別として、技術的には)NEXにもフルサイズセンサーを搭載することは可能ですから。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/396897.htmlより

これは2010年のインタビュー記事です。ソニーが世界初のミラーレスカメラα7を出す以前からソニーEマウントはフルサイズに対応していると認めていたということを意味しています。

実物のマウントを見るとやはり小さい?

確かにセンサーを覗いてみると、センサー面にマウントバビヨネットの爪が掛かっているようにも見えます。

ですが、もし実際にセンサー面に爪が掛かっているのであれば、写真に爪が写り込んでしまうと思いませんか?

当然のことながら、実際は映り込むことはありません。

実は、見えているセンサー面は38.5mmあるんです。実際に使用されるセンサー面は36mmなので、余裕があることが分かります。

やはりマウント径ギリギリのセンサーを見ると不安になる方が多いようですが心配無用のようですね。

 

大口径マウントは周辺画質に優位か?

小口径マウントは口径がセンサー面ギリギリのため、周辺減光が大きいと言われています。その噂が正しいとすると、裏を返せば大口径マウントは周辺減光が少ないということになります。

本当はキヤノンRFマウントやニコンZとソニーEマウントと比較したいところですが、共にまだ発売前ということで、キヤノンRFマウントと同じ口径を持つキヤノンEFマウントで比較してみたいと思います。

共に24-70mm F2.8の標準ズームで比較します。F2.8のズームレンズ群は大三元と呼ばれ、各社レンズのベンチマークとなるレンズです。特に24-70mm F2.8は一番利用される大三元標準ズームなので、キヤノン、ソニー共に気合いを入れて作成したはずです。そういう意味では、比較するには持ってこいのレンズだと言えます。

 

焦点距離毎に比較してみた

DXO markで測定された両レンズのVignetting(周辺減光)を参考にしました。

絞り開放のときに周辺減光の影響が一番大きいため、焦点距離毎に開放値(F2.8)で比較します。

グラフは画面中央を基準点として、中央から画面端に向かってどれくらい減光しているかを表しています。

24mmの周辺減光比較

画面の40%から画面端にかけて、ソニーの方が周辺減光は少ないようですね。

35mmの周辺減光比較

両レンズとも24mmよりは周辺減光は減っていますが、画面端ではまだソニーの方が優秀そうです。

50mmの周辺減光比較

画面40%から90%くらいまではキヤノンの方が優れていますが、画面端はソニーの方が優れています。

今回は画面端の周辺減光を確認しているので、50mmでもソニーの方が優れていると言えます。

70mmの周辺減光比較

50mmと傾向は似ていますね。キヤノンの画面端は改善されていますが、まだソニーの方が優れています。

 

ショートフランジバックになっても周辺減光は改善しない

フランジバックが長いEFマウントとショートフランジバックのEマウントの同等レンズを比較して、Eマウントの方が焦点距離によっては周辺減光が少ないという結果でした。

Eマウントの方が周辺減光が少ない理由が、ショートフランジバックにあるのでは?と思う方もいるかもしれません。確かに、ショートフランジバックの方が周辺減光に有利ということであれば、そもそもEFマウントとEマウントの比較自体、意味のないものになってしまいます。

では実際のフランジバックが長いEFマウントとショートフランジバックのRFマウントの同等レンズで周辺減光を比較してみたいと思います。

OpticalLimitsEF50mm f1.2L USMRF50mm f1.2L USM、 EF24-105mm f4L IS II USMRF24-105mm f4 L IS USMのVinettingを比較してみます。

RF50mm f1.2L USMとRF24-105mm f4 L IS USMは、ともにEOS Rと同時発売されたRFマウントの中核となる重要なレンズです。当然のことながらキヤノンも相当力を入れて設計したはずですので、周辺減光も良くなって当然と思いますが、実際のところはどうなっているのでしょうか?

標準単焦点レンズ 50mm F1.2の比較

EF50mm F1.2EF50mm F1.2L USMの周辺減光

RF50mm F1.2RF50mm F1.2L USMの周辺減光

EF50mm F1.2L USMRF50mm F1.2L USM
F1.22.743.24
F1.61.92.23
F2.01.161.54
F2.80.50.967
F4.00.250.721
F5.60.220.609

EF50mm F1.2L USMとRF50mm F1.2L USMの比較では、フランジバックが長いEFマウントの方が、全ての絞り値で周辺減光が少ないことが分かります。50mm F1.2では、ショートフランジバックのRFマウントの方が周辺減光は悪化しているようですね。

標準ズームレンズ 24-105mm F4の比較

EF24-105mmEF24-105mm f4L IS II USMの周辺減光

RF24-105mmRF24-105mm f4 L IS USMの周辺減光

表にするまでもなく結果は見えていますが、周辺減光が一番大きい24mmのみ表にして比較してみたいと思います。

EF24-105mm f4L IS II USMRF24-105mm f4 L IS USM
F4.01.92.55
F5.61.191.91
F8.00.921.31
F110.811.21

EF24-105mm f4L IS II USMとRF24-105mm f4 L IS USMの比較では、EF24-105mm f4L IS II USMの方が周辺減光が少ないという結果となっています。先ほどの50mm F1.2の比較よりも差が付いたという印象です。やはりショートフランジバックのRFマウントの方が周辺減光が悪化しているということになります。

ショートフランジバックの周辺減光が悪化する理由

50mm F1.2と24-105m F4ともに、ショートフランジバックのRFマウントの方が周辺減光が大きいという結果となりました。

RF50mm F1.2LとRF24-105mm F4Lはともに、最新の光学技術で設計されたレンズであること、RFマウントで真っ先に発売されたレンズであること、などの理由からキヤノンも相当力を入れたレンズのはずです。

にも関わらず、周辺減光は酷くなってしまっています。

ショートフランジバックにすると画質が良くなるように何となく皆さん思っているかもしれんが、それがそもそもの間違いなのです。ショートフランジバックにしたからと言って周辺減光は改善しません。どちらかと言えば、後玉レンズからセンサー面への入斜角がきつくなるので、周辺減光は悪化する原因にもなり得ます。

 

以上の結果をまとめると

EFマウントとEマウントの周辺減光を比較して、ほぼ同等、あるいは焦点距離によってはEマウントの方が優れている、という結果でした。

また、EFマウントとRFマウントの周辺減光を比較して、EFマウントの方が優れている、という結果でした。

したがって、直接比較は出来ませんが、RFマウントとEマウントの周辺減光を比較すると、Eマウントの方が優れている可能性が高いということを示しています。

この記事で僕が言いたいことは、EFマウントやRFマウントよりEマウントの方が優れている、ということではなく、小口径マウントのEマウントでも大口径マウントと同等以上の性能を出せる、ということです。

小口径マウントは画質が悪いという昨今の風潮に思うところがあり、この記事を書いています。

 

マウント径による周辺減光比較まとめ

今回は、大口径マウントと小口径マウントの周辺減光を比較してみました。

確かに、大口径マウントの方がレンズの設計の自由度は上がるかもしれませんが、小口径マウントであっても大口径マウントと同等以上の性能を発揮できるという事が分かりました。ただ単にソニーが凄いだけでしょうか。

これで、これからも安心してソニーα7 IIIを使用できますね。

 

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