動画の30分制限が無くなる! 日欧EPA発効で関税撤廃されるデジカメ機材をまとめてみた

日欧EPA カメラ関連まとめボディ

2019年2月1日に日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が発効されました。

今回は、日欧EPAについてカメラと関係がある分野についてまとめてみました。

 

日欧EPAが2019年2月1日午前0時に発行されたことをニュース等でご存知の方も多いかもしれません。

2018年12月30日には、日本を含む11カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)が発効しており、TPPと今回のEPAと立て続けに日本に関連した自由貿易圏が誕生したことになります。

TPPとEPAも細かく見ていけば様々な項目はありますが、関税を下げることで、日本としては自動車を海外に売りたい、海外の国は食料品を日本に売りたい、ということが本音だと思われます。

デジカメの動画連続録画時間が30分に制限されていたのも、もともとはEUの関税が原因だったので、今回の日欧EPAは無関係ではありません。

今回は、なぜ動画の連続録画時間30分制限が撤廃されたのかと影響があるカメラ用品についてまとめてみようと思います。

 

もし間違っている点などありましたら、適宜ご指摘いただけると嬉しいです。

 

日欧EPAとは

日本とEUとの間の貿易を自由化し、経済的に発展することを目的として、締結された経済連携協定となります。関税の撤廃だけでなく、知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めた協定がEPAであり、今回は日本とEUとの間のEPAが発効となりました。

正式名称は『経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(平成30年条約条約第15号)』です。

日欧EPAのこれまでの経緯

ー2013年3月交渉開始決定
ー2017年7月大枠合意
ー2017年12月交渉妥結
ー2018年7月署名
ー2018年12月国会承認
2019年2月1日発効
2013年に交渉を開始してから2019年に発効するまでに6年もの歳月が掛かったということですね。

日欧EPAで何が変わる?

  • 電子商取引や知的財産などのルールが整備される
  • 工業製品や食料品に掛かる関税の撤廃される

分かりやすいところでは、日本の自動車に掛かる関税がなくなるのでEUで日本車がたくさん売れる、ワインやチーズに掛かる関税がなくなるので日本でそれらが安く買える、ということが想定されます。

工業製品は自動車だけでなく、カメラ関係も含まれるので、我々カメラユーザーにも少なからず影響がありそうです。

参考資料

外務省の日欧EPA概要資料

経済産業省の日欧EPA概要資料

 

デジカメの動画連続録画時間30分制限

デジカメの動画連続録画時間が30分に制限されていることをご存知でしょうか。

皆さんがお持ちのデジカメも動画の連続録画時間が29分59秒までとなっているはずです。

下記のような条件のデジカメは、ビデオカメラと分類されてしまい、関税を適応されてしまうためです。

  • ビデオの画質が800×600ピクセル以上
  • フレームレートが23fps(フレーム/秒)以上
  • 動画の連続録画時間30分以上

デジタルカメラ(CNコード:8525 80 30)とビデオカメラの分類基準は、官報C214に掲載されたCNコード「2016/C214/09」で規定されていいます。

Digital cameras
Digital cameras of this subheading are always capable of still-image recording, whether on an internal storage medium or on interchangeable media. Most of them have the design of a traditional photographic camera.
Digital cameras that are only capable of recording still images remain classified in this subheading.
Cameras of this subheading may also have video-capture capability to record continuous periods of video.
However, when such apparatus are capable, using the maximum storage capacity, of capturing video in a quality of 800 × 600 pixels (or higher) at 23 frames per second (or higher) for a continuous period of at least 30 minutes (regardless of the fact that the captured video images may be recorded in separate files of a duration of less than 30 minutes (see also Commission Implementing Regulation (EU) No 876/2014)) they are always to be classified in subheadings 8525 80 91 or 8525 80 99.

デジタルカメラであれば関税は掛からないため、各メーカーは関税を回避するために、動画の連続録画時間を30分未満にしていました。(ビデオの画質が800×600ピクセル以上とフレームレートが23fps(フレーム/秒)以上の条件回避は難しいので、連続録画時間を制限するしか方法がありません)

ビデオカメラに分類されたデジカメはさらに「テレビビデオカメラ(CNコード:8525 80 91)」と「ビデオカメラその他(CNコード:8525 80 99)」に分類され、それぞれに設定された関税が掛かってしまいます。

「テレビビデオカメラ(CNコード:8525 80 91)」と「ビデオカメラその他(CNコード:8525 80 99)」の違いは、大まかに言えば、テレビビデオカメラは普通に録画できるカメラ、ビデオカメラその他は外部ソースも録画できるカメラ、といった感じでしょうか。(参考資料

8525 80 91
The apparatus is only able to record sound and images taken by the television camera and the possibility of transferring files into the camera cannot be activated after presentation by simple modification of the apparatus by a user who does not have special skills.
It is therefore to be classified under CN code 8525 80 91 as video camera recorders only able to record sound and images taken by the television camera.
8525 80 99
As the apparatus is capable of recording video files from sources other than the incorporated television camera, classification under subheading 8525 80 91 as video camera recorders only able to record sound and images taken by the television camera is excluded.
The apparatus is therefore to be classified under CN code 8525 80 99 as other video camera recorders.

30分制限が撤廃される

日欧EPAにより、「テレビビデオカメラ(CNコード:8525 80 91)」と「ビデオカメラその他(CNコード:8525 80 99)」に掛かっていた関税が即時撤廃となりました。つまり、2019年2月1日以降にEUに輸出されるデジカメには以前のような関税は掛かりません。

したがって、関税を回避するためだけに連続録画時間を30分未満に制限する必要なくなるわけです。関税のために、機能を制限していたなんて、ユーザーとしたら嬉しくない話ですからね。

ちなみに、2019年2月22日発売予定のソニー α6400はすでにこの30分制限がないことがわかっています。

αシリーズで初の動画連続撮影時間30分制限なし! ソニー α6400はVlogerに最適なカメラ
ソニーから発表されたAPS-Cカメラであるα6400は、動画連続撮影時間30分制限がない?と噂されているようです。 ソニーストア銀座で店員さんに真偽のほどを確認してみました。

 

【追記2019/2/22】α6400が発売となったので実機を見てきたところ、α6400はタイ製でした。製造国が日本ではない場合、この日欧EPAには該当しない可能性がありますので、その点だけご注意ください。

 

関税が撤廃されるカメラ用品

CNコード品目税率譲許内容
85258030デジタルカメラ0%即時撤廃
85258091テレビビデオカメラ4.1%即時撤廃
85258099ビデオカメラその他10.5%即時撤廃
42029180革製カメラケース3%即時撤廃
42029219プラスチック製カメラケース9.7%即時撤廃
42029298布製カメラケース2.7%即時撤廃
83063000金属製フォトフレーム2.7%即時撤廃
90021100カメラ用レンズ6.7%即時撤廃
90063000特殊環境用カメラ4.2%即時撤廃
90064000インスタントカメラ3.2%即時撤廃
90066900写真用フラッシュ3.2%即時撤廃
90071000映画用カメラ3.7%即時撤廃
96200010一脚・三脚3.7%即時撤廃

フィルム用カメラやフィルムなどはさらに細かな分類で関税が設定されているようでしたが、ここではデジタルカメラや撮影機器などのみとしています。

デジカメ以外にもレンズやフラッシュ、一脚・三脚などにも関税が掛かっていましたが、いずれも即時撤廃となりました。

 

その他の品目については経済産業省の日EU・EPAにおける相手国の工業製品(経済産業省関連)に関する合意の詳細をご覧ください。

 

動画30分制限と日欧EPAで影響があるカメラ用品まとめ

今回は、2019年2月1日発効となった日本と欧州連合のEPAについて、動画の連続録画時間30分制限と対象となるカメラ品用についてまとめてみました。

カメラ関係については、基本的には日本からEUへの輸出についてですので、我々日本のユーザーには直接関係はないかもしれませんが、EUでの販売価格が下がることにより、日本の販売価格もそれにつられて下がる可能性もあるかもしれません。

動画の連続録画時間30分制限については、即時撤廃となので、2月1日以降に発売するカメラは、そのような制限はないはずです。

2月1日以前に発売されていたカメラについてもファームウェアアップデートなどで、対応して欲しいところですね。

 

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