ソニーα7 IIIやα7R IIIはミラーレスカメラなので、測距時に開放絞りなのか実絞りなのか、気にしない方が多いかもしれませんが、僕は気になったので調べてみたところ、実はそのどちらでもないということが分かりました。
AF時に、一眼レフは開放絞り、一眼ミラーレスは実絞りで測距を行う、と思っている方が多いのではないでしょうか。
一方で、開放絞りや実絞りについてよく分からないという方もいるかもしれません。
ソニーに確認してみたところ、α7 IIIやα7R IIIでは、オートフォーカスの測距時には開放絞りでも実絞りでもない、という回答が得られました。
これは興味深い、と思ったので今回記事にしてみることにしました。
フルサイズミラーレスカメラ各社の絞り羽根の動作についてまとめた記事も書きましたので、あわせてご覧ください。

ソニーは開放絞りでも実絞りでもない
ソニーにα7 IIIやα7R IIIは開放絞りなのか実絞りなのか聞いてみました。
分かりやすいように会話の内容は少し整理していますので、その点はご了承ください。
測距は開放絞りですか?実絞りですか?
絞り込んで測距を行います。
絞り込んで測距とは、
実絞りとは違うのですか?
撮影時には実絞り=実際の絞り値になりますが、
測距時には絞り込んで測距を行います。
『絞り込む』とはF値でいくつなど、
具体的に表すことが出来ますか?
状況に応じて変化するため、
具体的に表すことは出来ません。
どうやら、ソニーは開放絞りでも実絞りでもない、『絞り込んで』測距という独自の方式のようです。
この『絞り込んで』と言う点についてもう少し聞き出そうとしましたが、残念ながら詳細は公表出来ない、ということで聞き出すことは出来ませんでした。
そもそも開放絞りと実絞りとは?
ご存知の方も多いと思いますので、簡単に説明します。
絞りは、レンズに入ってくる光の量を調整するレンズ内の機構で、F値と呼ばれる数字で絞り具合を表します。
設定したF値によって被写界深度が変わるので、F値によるボケ具合の変化は一眼カメラを触ったことがある方ならお分かりだと思います。
シャッターを切る瞬間は実絞り
例えばカメラでF8に設定していたら、F8で撮影するわけですからシャッターを切る瞬間の絞りはF8になります。
このように、実際の絞りの値に絞りが絞り込まれることを実絞りと言います。
一眼レフは開放絞りで測距を行う
実絞りとは逆に、絞りを一旦開いて開放することを開放絞りと言います。
測距とは、読んで時のごとく、距離を測定することです。オートフォーカスとだいたい同じ意味だと思っていただいても良いと思います。
一眼レフでは、実絞りで測距を行うとオートフォーカスしている間ずっとファインダーが暗くなってしまうため、開放絞りで測距を行います。
したがって、一眼レフでは開放絞りで測距を行い、実絞りで撮影、というのが基本的な撮影時の絞りの動作になります。
ミラーレスでは実絞りで測距を行う
ミラーレスでは、一眼レフのように光学ファインダーではないため、絞りを絞ってもファインダーが暗くなりませんので、開放にする必要がありません。
実際の絞り値である実絞りで測距を行うことが出来ます。
開放絞りと実絞りのメリット・デメリット
開放絞りと実絞りでの測距には、それぞれメリットとデメリットがあります。
開放絞り | 実絞り | |
メリット | 低照度環境でもAFが迷いにくい | 撮影前に被写界深度の確認が出来る |
デメリット | フォーカスシフトがある | 位相差AFが動作するF値に制限がある |
一長一短があるので、状況に応じて使い分けられれば一番良いのですが、そのあたりはメーカーによって仕組みが異なっており、残念ながら融通は効きません。
実際の絞り羽根の動きを確認してみた
α7 IIIとα7R IIIで絞り羽根の動きを見てみました。確認時のレンズはFE 24-105mm F4 G OSSです。
α7 IIIの絞り羽根の動作
AF-Sの場合
ライブビュー表示 | AF-ON時 | シャッター全押し時 |
実絞り (設定したF値) | 絞りが開放F値付近まで 絞り羽根が広がる | 実絞り (設定したF値) |
ライブビュー時(何もしていない時)は、実絞り(カメラ側で設定したF値)の位置に絞り羽根があります。
しかしながら、AF-ON時には、開放F値付近まで一時的に絞り羽根が広がり、すぐに元に戻ります。
開放F値付近と書いたのは、絞り羽根の動きだけでは開放F値の位置なのか、絞り羽根の位置だけでは判断がつかないため、そのように書いています。(開放F値だと思うけど、絶対とは言い切れないので付近と付けている)
シャッターを全押しして撮影する時には、当然のことながら実絞り(カメラ側で設定したF値)の位置に絞り羽根があります。
AF-Cの場合
ライブビュー表示 | AF-ON時 | シャッター全押し時 |
実絞り (設定したF値) | 【F11まで】 実絞り(設定したF値) 【F11以降】 F11の位置まで 絞り羽根が広がる | 実絞り (設定したF値) |
AF-Sの時とAF-ON時の絞り羽根の動作が違います。
F11までは実絞り(カメラ側で設定したF値)となります。しかしながらF11以降ではAF-ON時にF11の位置まで絞り羽根が広がります。
例えばF16に設定した場合では、ライブビュー時はF16、AF-ON時ではF11、シャッター全押し時はF16の絞り羽根の位置となります。
α7R IIIの絞り羽根の動作
AF-Sの場合
ライブビュー表示 | AF-ON時 | シャッター全押し時 |
実絞り (設定したF値) | 絞りが開放F値付近まで 絞り羽根が広がる | 実絞り (設定したF値) |
AF-Sの場合はα7 IIIの絞り羽根の動作と同じでした。
AF-Cの場合
ライブビュー表示 | AF-ON時 | シャッター全押し時 |
実絞り (設定したF値) | 【F8まで】 実絞り(設定したF値) 【F8以降】 F8の位置まで 絞り羽根が広がる | 実絞り (設定したF値) |
α7 IIIの場合と同様にAF-ON時の動作がAF-SとAF-Cで異なります。しかしながら、α7 IIIがF11を境に挙動が異なったことに対し、α7R IIIはF8を境に挙動が異なっています。
ソニーα7 IIIやα7R IIIの絞り込んで測距まとめ
今回は実絞りでもない開放絞りでもない『絞り込んで』測距というソニー独自の測距方式について記事にしてみました。
ソニーから正式に教えては貰えませんでしたが、実際に検証してみると、α7 IIIはF11、α7R IIIはF8を境に、挙動が異なっていることが分かりました。
このF11とF8を境に挙動が変わることをソニーが『絞り込んで』と分かりにくい表現をしているのかは良く分かりません。
また、感が良い方ならF11とF8ってもしかしてアレのことじゃない?と思う方もいるかもしれません。
その点については、次回以降の記事で触れてみたいと思います。


