僕がメインで使用しているミラーレスカメラα7R IIIもそうですが、便利なミラーレスカメラの最大の弱点はセンサーにゴミが付きやすいということです。
今回はセンサーについたゴミの確認方法とその対処方法について説明したいと思います。
上の写真は、先日行われた多摩川花火大会の写真ですが、残念なことに大きなゴミが写りこんでしまっています。
ゴミさえなければ、まるで花弁のような花火だったのですが、、、
画像処理ソフトに頼るのも手
多少のゴミなら画像処理ソフトに頼るのも手です。ちなみに、Lightroomで修復してみるとこんな感じです。短時間でやったので、不自然な箇所があるかもしれませんが、手直ししたよと言われなければ恐らく気づかない程度だと思います。
ですが、ゴミが写っていないに越したことはありませんよね。特に重要な撮影の前にはゴミが付いていないか確認したいところです。
普段なぜゴミに気付かないの?
上の写真くらい大きなゴミは別にして、空気中にはチリなどのゴミが漂っており、多少なりともセンサーに付着しています。しかしながら、それらのゴミが写真に大きく写りこむことはありません。
理由は3つあります。
センサー上のゴミにピントが合うことはない
被写体に対してピントを合わせるので、センサーに付着しているゴミにピントがあることはありません。ピントが合わなければ小さなゴミはボケてしまうので、写真に影響することはほとんどありません。
極端に絞らなければ問題ない
F16やF22など極端に絞りを絞らなければ、ゴミが被写界深度が範囲に入ることはありません。F16やF22などでは通常回折現象により、解像性能が劣化してしまうため、そこまで絞ることはそれほど多くなることはないと思います。
背景に同化して目立たない
もし多少のゴミが写りこんでも背景の模様に隠れてしまって目立たない場合がほとんどです。森を撮影したら、葉っぱの影とゴミの黒い点との区別は付かないはずです。
逆にどのようなときにゴミが目立つのか?
ゴミが目立ちづらい理由の反対を考えれば、自ずと答えが分かります。
- 広角レンズなど被写界深度が浅くなるレンズを使用しているとき
- F16やF22など絞って撮影するとき
- 青空など背景が一様な色のとき
そして、そのような条件で撮影すると、ゴミの確認が出来るようになります。
ゴミを確認するためのカメラ設定
ソニー α7R IIIで説明しますが、ソニーのミラーレスカメラならほとんど同じような操作で確認が可能だと思います。
絞りを可能な限り絞る
撮影モードをマニュアルモード(Mモード)に設定します。絞りを絞れるだけ閉じます。通常のレンズであればF22くらいまで絞れるはずです。これで被写界深度が最大限深くなったため、センサー面のゴミにもピントが合いやすくなりました。
マニュアルモードを普段使い慣れていないという方は、絞り優先モード(Aモード)でも実施できます。Aモードの場合は、露出補正を+2や+3などプラス補正にして、背景が明るくなるようにしてください。
ピント位置はあまり気にしなくても良い
ゴミを確認するには、ピント位置を最短にしてゴミがボケにくくさせる人もいれば、逆にピント位置を無限遠にして背景をボケさせてゴミを目立たせる人もいます。
実際にやってみましたが、どちらでも出来るので、ピント位置はあまり深く考えなくても良いかもしれませんね。
iso感度は低め、シャッタースピードは長め
ノイズが目立たない程度にiso感度は低めに設定します。背景を白飛びさせたいため、シャッタースピードは長めに設定します。室内で撮影する場合、iso感度 100、シャッタースピード10秒くらいで問題ないと思います。
白い背景を写して撮影する
白いコピー紙や白い壁紙にしたパソコンのディスプレイなど何でも良いので、白くて一様な色の被写体を用意します。
カメラは動いてOK
シャッタースピードを長めにしていますが、カメラは動いても問題ありません。むしろ積極的に動かすくらいが良いかもしれません。
撮影して確認してみる
ゴミを目立たせたいため、背景をある程度白く撮影したいところです。白い背景に黒いゴミが浮いている写真が確認しやすいですよね。
ですので、背景が暗すぎるとゴミが目立ちませんし、逆に明るすぎて白飛びするくらいですと、ゴミまで白飛びしてしまいます。
もし、背景が暗すぎたらシャッタースピードを長くしてください。逆に背景が明るすぎたら、シャッタースピードを短くしてください。
背面液晶画面で確認してみよう
背面液晶画面に写真を拡大表示させて、ゴミがないか確認してみましょう。特に隅にゴミが溜まりやすいので、重点的にチェックしてみてください。
ゴミを発見したら
背面液晶画面でゴミを見つけてしまったら、次のいずれかの方法で対処します。
見なかったことにする
あまり大きなゴミでなかったら、写真に写りこむ可能性は低いため、対処しないという判断もあります。特に絞らず開放で撮影する場合はあまり気にする必要はないです。
ゴミを取り除こうとして、レンズを取り外してセンサーを露出させるとさらなるゴミが付く可能性もあります。
小さなゴミなら許容してしまいましょう。
ブロアーで吹き飛ばす
基本は、イメージセンサーにブロアーで風を当ててゴミを吹き飛ばします。ゴミがセンサー外に飛ぶように、センサーを下に向けて風を当てます
センサー上に付いたゴミは手強い場合が多いので、なるべく強力なブロアーを選びましょう。
ちなみに僕は、ハクバのハイパワーブロアーを愛用しています。
PENTAX イメージセンサークリーニングキット O-ICK1
通称、ペンタ棒と呼ばれているペンタックスのイメージセンサークリーニングキットです。
先端部が吸着性の高い素材となっているため、イメージセンサーに直接押し当ててゴミを吸着します。
専用キットといえど、イメージセンサーに触れるのは勇気が要りますね。
Nikon クリーニングキットプロ2 CKP2
ニコンプロサポートも使用しているといわれているニコンのクリーニングキットです。
エタノールを染み込ませたシルボン紙でセンサーを直接拭きます。
プロも使用しているとはいえ、これまた勇気が要ります。
イメージセンサークリーニングサービス
自分でやるのが怖いという方は、メーカーのイメージセンサークリーニングサービスに頼みましょう。
ソニーでは、有料の清掃・点検サービスでセンサークリーニングを実施してくれます。
イメージセンサー上のゴミの確認と対処方法まとめ
今回は、イメージセンサーに付着したゴミの確認方法とゴミの対処方法について記事にしてみました。
一眼ミラーレスカメラは、センサーが露出しているためゴミが付きやすいことは確かですが、一眼レフカメラもゴミが付かないわけではありません。
確認方法と対処方法を知っていると、いざというとき慌てないので、日頃から練習してみてください。
