ソニー推しの僕が、カメラユーザーという立場で、ソニーという会社について書いてみようと思います。
既に使用されている方だけでなく、ソニーαシリーズを検討中の方にも分かりやすく書こうと思いますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
ソニーという会社について
日本を代表する電機メーカー
皆さんご存知のソニーと言えば、日本を代表する電機メーカーとして有名ですよね。
カメラ業界ではキヤノン、ニコンに次いで3番手のイメージですが、会社自体の比較ではキヤノンの約2倍、ニコンの10倍以上の規模を誇ります。
売上(2018年見通し) | ブランド力(国内) | |
ソニー | 8.7兆円 | 5位 |
キヤノン | 4.0兆円 | 4位 |
ニコン | 0.7兆円 | 29位 |
ブランド力は、Inter Brand Japanを参考にしています。
また、カメラに関係するセグメントだけまとめてみたのが下の表です。カメラ関連の各社セグメントは、カメラだけでなく関連製品やサービスを含んでいるので、会社によって含んでいるものと含んでいないものの差があるはずですので、参考程度に見ていただければと思います。
セグメント | 2018年売上見通し | |
ソニー | イメージング・プロダクツ&ソリューション分野 | 6,800億円 |
ソニー | 【参考】半導体分野(イメージセンサーのみ) | 7,400億円 |
キヤノン | イメージングシステム(プリンター事業等除く) | 6,231億円 |
ニコン | 映像事業 | 3,200億円 |
ソニー、キヤノン、ニコン各社の決算発表資料を参考にしています。
映像・音響メーカー
ソニーと言えば、みなさん何を思い浮かべるでしょうか。僕はウォークマンです。
音楽を気軽に持ち運べるウォークマンは世界的大ヒットとなったことをご存知の方も多いと思います。他にも日本初のブラウン管テレビの開発や最近ではBlu-rayディスクの開発など、ソニーは昔から映像・音響メーカーの色が濃かったと言えます。
ソニーのカメラを家電屋のカメラと揶揄する表現をよく見かけますが、ソニーを家電メーカーと位置付けることは個人的に違和感を感じています。
家電メーカーとは、一般的にパナソニックや日立のように冷蔵庫や洗濯機を製造しているメーカのことですよね。
ソニーのカメラは映像・音響メーカーのカメラ、と言った方が正しいのではないでしょうか。
放送機器は世界シェア1位
放送分野においてソニーは世界シェア1位を獲得しています。放送機器は様々な機器を含んでいますが、当然のことながら放送用デジタルカメラも多くのシェアを獲得しています。
放送機器は、ソニーとパナソニックで世界の7割のシェアを持っていると言われています。
ビデオカメラも世界シェア1位
コンシューマ用のデジタルビデオカメラでもソニーが世界シェア1位と言われています。
ちなみに、アクションカメラまで含めると、GoProがシェア1位というデータもあるようです。
一眼カメラというカテゴリでは、ソニーは比較的後発組となるわけですが、デジタルカメラ全体でみるとソニーはデジカメ業界のガリバーと言っても過言ではないと思います。
ミラーレス一眼カメラに構造上近いビデオカメラでシェアを元々持っていたことから考えても、現在のソニーαシリーズの躍進も納得のいく状況だと思います。

ソニーのイメージセンサー
ソニーの強みはイメージセンサー
スマホ需要もあって、ソニーはイメージセンサー開発に力を入れています。ソニーセミコンダクタソリューションズやソニーセミコンダクタマニュファクチャリングで開発・製造が行われています。通称、ソニーセミコンなどと言われたりします。
縮小し続けるデジカメ業界とは対照的に、近年スマホや自動車向けのイメージセンサーが伸びており、2018年のソニーが製造予定のイメージセンサーは7400億円にもなる予定です。これは、ニコンの2018年の売上見通し7400億円と同じとなっています。ソニーのイメージセンサー事業だけでニコン全体と同程度の規模と言えば、ソニーがいかにイメージセンサーを強みとしているかが分かると思います。
裏面照射型と積層型
裏面照射型
積層型
ソニーα7RIIで採用されたフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーとα9で採用されたフルサイズ積層型CMOSセンサーは、いずれも世界初でした。
裏面照射型はダイナミックレンジの向上など、積層型は読み出し速度の高速化などに効果があります。
ソニーは、自社グループで製造しているセンサーを適材適所で使い分けることで、カメラの性能を引き出すことが可能です。
ソニー社製かキヤノン社製か
ソニーは他社にもイメージセンサーを供給していることで知られています。例えば、ニコンで大変評価の高いD850や最新ミラーレスカメラZ6やZ7などは、ソニー製のイメージセンサーを使用していると言われています。
同じフルサイズであっても異なる技術を用いられているので、製造する会社によって性能は異なっています。
カメラのセンサー性能を数値化してランキング化しているDxO Markでは、ソニーα7R IIIとソニー製センサーを採用していると言われているニコンD850のセンサースコアが、キヤノン5D mark IVのセンサースコアを大きく引き離しています。
ソニー α7R III | ニコン D850 | キヤノン 5D Mark IV |
100 | 100 | 91 |
最新センサーをいち早く使用できる
ソニー社製の汎用イメージセンサーはもちろん社外にも販売していますが、常に最新のセンサーをいち早く使用できるのはソニーの最新カメラ、という点はこれからも変わらないと思います。
あるいはソニーのカメラの搭載されているセンサーは、汎用品ではなくスペシャルなイメージセンサーである機種もあります。
ソニーの最新カメラを使う限り、ソニーの最新イメージセンサーを使用できるので、ソニーユーザーにとって大きなメリットだと思います。
画像処理が強み
HAWK-EYE
ソニーは放送用ビデオカメラだけでなく、撮影された映像における画像処理技術も有名です。
テニスの試合で、打ったサーブがラインの内側に入っているか外側に外れているかをCGの再現映像で選手が確認している様子を見たことがないでしょうか。ソニーグループのHAWK-EYEという技術が用いられています。テニス以外にもサッカー、ラグビー、野球、バスケットボールなど様々なスポーツシーンで用いられています。
瞳AF
αシリーズのカメラにおいてもソニーの画像処理技術が生かされており、ソニーαシリーズと言えば瞳AFというくらい他社の同機能と比べても抜きん出た性能となっています。
こちらの動画では、APS-Cの中でも特に評価が高い富士フイルムX-T3よりもソニーの瞳AFの方が合焦する確率が高いと評されています。
- 富士フイルム X-T3(APS-C) – 24% 合焦
- ソニー a6500(APS-C) – 37% 合焦
- ソニー a7RIII(フルサイズ) – 60% 合焦
- ソニー a6400(APS-C) – 98% 合焦
- ソニー a9(フルサイズ) – 100% 合焦
さらにソニーは、瞳AFの動物対応も予定しています。いずれもソニーの高い画像処理技術があってこそのプロダクトですね。
ソニーについてのエトセトラ
ソニータイマー
一般的には、メーカー保証期間が切れた瞬間に故障する現象を指し、ソニーの製品は耐久性に劣るということを表現する際に用いられる言葉です。
僕の印象で真逆で、ソニー製品は物持ちが良いという印象しかありません。
実家のブラウン管テレビはソニーのトリニトロンでしたが、20年くらい動き続けました。ビデオレコーダーもソニーでしたが故障した記憶はありません。
Playstationは1,2,3,4と所有してきましたが、6年くらい使用したPlaystation3が唯一故障したくらいです。初代Playstationは未だに動きます。
僕の中で、ソニー製品は故障しやすいという印象は全くありません。
もちろん、ソニーのカメラも今のところ故障はゼロです。
連結子会社が日本一
ソニーは、連結子会社数が日本一の複合企業体です。僕もてっきり日立の方が多いと思っていましたが、調べてみるとソニーが日本一なのです。
ソニーがコングロマリット(複合企業)と呼ばれる所以ですね。
ちなみに従業員数では、トヨタ自動車が日本一で、次いで日立でした。
カメラ関連で最近のソニーの動きとしては、2017年にソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社を設立して、カメラ関連事業部もそちらに分社化して現在に至っています。
FeliCaを開発したのはソニー
皆さんお持ちであろうSuicaやPASMOなどの鉄道系ICカードやおサイフケータイの元となっているFeliCaを開発したのはソニーです。
FeliCaがカメラと何の関連性があるかと言えば、FeliCaと同じ技術であるNFCがソニーのカメラにも搭載されています。
例えば、カメラからスマホにWifi経由で写真を転送するときに、スマホ側でWifi設定をする必要がありますが、NFCを使用すればスマホの面倒な設定をしなくとも、カメラにスマホをかざすだけで転送が出来ます。
FeliCaはNFCを拡張したソニー独自の規格で、NFCより高速で通信が出来るなどの特徴がありますが、世界全体でみるとまだまだFeliCaよりもNFCの方が普及しています。
ソニーとしては、カメラを世界に販売していきたいのですから、FeliCaではなく兄弟規格であるNFCをカメラに搭載していると考えられます。
情報統制がしっかりしている
新作カメラはどのメーカーでも事前に情報がリークされるものですが、ソニーのカメラは全然情報が出てきません。
直近で発売されたα7 IIIは、発表直前までスペックが全く分かりませんでしたし、α6400については存在自体が発表直前まで知られていませんでした。
このようにソニーのカメラは情報統制がかなりしっかりしているという印象を受けます。
ただカメラユーザーからすると、もうちょっと情報を出して欲しい気がしますね。


カメラユーザーから見たソニーまとめ
今回は、ソニーαシリーズを使用してきたソニーユーザーから見たソニーという会社自体について記事を書いてみました。
改めて、売り上げ規模をキヤノンやニコンと比較してみると、ソニーの巨大さや多様さが見えてきます。
僕がソニーのαシリーズを使用している理由の一つとしては、ソニーという会社が好きだからです。
カメラの性能だけでなく、その会社自体の理解を深めると、カメラにもより愛着が湧くのではないでしょうか。